2025年11月14日金曜日

Macseal、エモいの語源を知ってるかい?


米NYロングアイランドのエモ系4人組バンドの新曲。
EMO新世代の受け皿になっているCounter Intuitive Recordsの10周年記念コンピ『Counter Intuitive Presents: Cosmic Debris, Vol 2』に収録。
(ちなみにVol 1は1周年の時にリリースされているそう)
このサイトで取り上げてきたCombat(→こちら)、Prince Daddy & The Hyena(→こちら)、Oso Oso(→こちら)など有してまして、この手のジャンルの伝承と派生を味わえる内容になってます。本来の「エモい」の現在地点ということで。

Bandcamp:Counter Intuitive Records→こちら
Bandcamp:Macseal→こちら

2025年11月12日水曜日

Late Cambrian、カンブリア爆発ですか。


米NYブルックリン発、人種の坩堝的な面白いインディー・バンドの新曲。
10年以上前には国内盤も出ていたバンドで、曲作りには定評があった。
けったいなビジュアルに引かずに、純粋に楽曲に集中していただければ。

Bandcamp:Late Cambrian→こちら

2025年11月11日火曜日

Lovesliescrushing、MBV耽溺昇天物語。


掘り起こしレーベル、The Numero Groupからのリイシュー・リリース。
シューゲイザーのバンド達はリアルタイムで洋楽雑誌を読んでチェックしていたけれど、
この人達の記憶は残っていない。
米ミシガン州発の1992年自主レーベルのカセット作品までは、さすがに主要雑誌には掲載されていなかったと見える。ドラムレスの男女デュオ体制のシューゲイザー。
MBVの『Loveless』への敬愛が同時代ならではの切実さで記録されています。

The Numero Group→こちら
Bandcamp:Lovesliescrushing→こちら

2025年11月5日水曜日

Baker Island、アップテンポになる瞬間が好き。


英ニューキャッスルのインディー・バンド5人組。
10年以上前から音源を出しているようだが、知らなかった。
この世は、知らなくていい音楽が耳に入ってきて、知られるべき音楽が耳に入ってこない仕組みになっているらしい。だからこそ、自分から探しに行かなければ。
この曲は今週発売の今年2枚目のEPから。
1枚目EPも良かったので(→YouTube)日本の青春系UKインディー好きの諸輩は、是非!
本国でも全然聞かれていないようだけど、そんなの関係ないでしょ?

Bandcamp:Baker Island→こちら

2025年11月4日火曜日

Oscar Lindsey、埋もれるのは勿体無さ過ぎる。


米ナッシュビルのSSW、オスカー・リンジー。
(父は有名なカントリー系ソングライター/プロデューサー、クリス・リンジーらしい)
YouTubeチャンネルのプレイリストを見ると、60-70'sの優良メロディーがお好みみたい。
その彼の先月出た新曲「Sidelines」。
今年6月にアルバム『Glitter』も出していて、つい最近そちらからのMV「Forever's Such A Long Time」も出てました(→YouTube)。
リリース計画もあったもんじゃない自由さだが、インスタには「新曲出すのを待ちきれなかった」みたいなことが書いてあった。こういう世間では知られることのない、無欲で才能豊かなミュージシャンがナッシュビルにはいっぱい居るんだろう。
Andy ShaufやChristo Grahamが好きな人は気に入ってくれるはず。

Bandcamp:Oscar Lindsey→こちら

2025年11月3日月曜日

Cdubz、ギターをかきむしれば偏見は届かない。


黒人青少年キャルビン君によるギター・ロック。まだ声が若い。
これが彼のリアルなんだろう。TikTokで流行ったレディオヘッドの「Let Down」なんかのカヴァーもやっているようで、本当に今時の子なんだと思われる。
この新曲、後半に盛り上がっていく様に、上昇機運が加味されていて良い出来。
今後の成長に期待だ。

2025年10月31日金曜日

Snocaps、仲良し姉妹で結託。


Waxahatcheeのケイティ・クラッチフィールドとその姉アリスンとの新バンド。
MJレンカーマンががっつり協力した新曲、新アルバムが本日リリース。
ギターを初めて触って、その嬉しさの勢いで始めた初期衝動のようなバンドを目標にしているのかな。
洗練を目指していないのは明らか。2曲目「Heathcliff」がお気に入り。

2025年10月27日月曜日

Yves Jarvis、最近のお気に入り。


カナダの異能の黒人SSW、今年2月に出たアルバム『All Cylinders』にさらに楽曲を加えたデラックス盤が来月に出るらしく、そこからの先行曲。
あんまり話題になっていないみたいだけど、これはポップでいいなぁ。
ジャンル分け不能で、評価軸が定まらないせいなのか、激推しみたいな空気がなく、
まだ届くべき人に届いていない気がする。
ワンマン卓録系であり、未整理な実験POPであり、かわいいメロが散見されて、
しかし、プリンスほど変態でもなく、面白い存在なんだけどなぁ。

Bandcamp:Yves Jarvis→こちら

2025年10月25日土曜日

Teenage Tom Petties、ガチャガチャうるせえ。


やけっぱちにギターをかき鳴らすトム・ブラウンを中心とする英ウィルトシャー発5人組バンド(バンド名がふざけていて最高)の4thAL『Rally The Tropes』が昨日リリースに。
8曲収録で18分。一気に楽しめる。
BandcampのキャプションにRIYL(recommended if you like)としてOASISの名前もあるので、OASIS来日に浮かれている人達にも是非!

Bandcamp:Safe Suburban Home Records→こちら

2025年10月24日金曜日

Mozart Estate、チープなりの良さもあるわけで。


FELT〜DENIMでお馴染みローレンス・ヘイワードさん、
ゴーカート・モーツァルトが今はこの名義に変わっているらしく、
その新作『Tower Block in a Jam Jar』が先週出てます。
DENIM時代の楽曲も含むゴーカートの2nd『Tearing Up the Album Chart』(2005)のデモテープ状態の仕上がりを後悔しているらしく、それを全曲録り直した作品らしい。
上記楽曲の、パーソナルな質感の原曲はこちら→YouTube
比べてみましたが、僕はどちらも好きでした。

Bandcamp:Mozart Estate→こちら

2025年10月23日木曜日

Vanity Mirror、60'sサイケポップ好きは必聴で。


明日リリースされる2nd『Super Fluff Forever』より。
カナダのトロント発、ブレント・ランドールを中心とするサイケ・ポップ・バンド。
上記曲、ほぼVUの「Lady Godiva's Operation」(→YouTube)とメロディーが同じ。
だが、そんなことで目くじらを立ててはいけない。
バンド名は「化粧鏡」。
そこに映るのはあなただ。むすっとしないで、口角上げて笑っていきましょう。

Bandcamp:Vanity Mirror→こちら

2025年10月19日日曜日

Bones Owens、疾走感たっぷりに歌うやさぐれ感。


前回のような最先端ブルース解釈に溜飲を下げつつ、
こういったド直球なアメリカン・ロックにも飽くなき憧憬を感じてしまう。
米ミズーリ州出身、ナッシュビルで活動するケイレブ・オーウェンス=ボーンズ・オーウェンスの先月リリースされた最新AL『Best Western』より。
アルバムはサザンロックあり、ブルースロックあり、ラップが出てくる楽曲まであるが、
この人の刺青だらけのルックス通り、軟派には靡かない空気で統一されてます。
バーで呑んだくれるトラック野郎が一番欲する音楽だろう。

オフィシャル・サイト→こちら

2025年10月18日土曜日

Luther Dickinson、解体したブルースを再構築。


Disk Union→こちら

ノース・ミシシッピ・オールスターズのルーサー・ディッキンソンの新プロジェクト。
デッド・ファミリーとの付き合いが端を発する作品であるからか、タイトルは『Dead Blues Volume I』。
骨組みが露わになったファンキーなリズムに、妙にスペーシーなギターが絡んだり、
奇妙なキーボードが被さってきたり、所謂典型的なブルース・リックがほぼ出て来ない革新的でルーツィーな内容。かっこいいです。
ストーンズで有名な「Little Red Rooster」とかすごいことになってます。
上記MVはミシシッピ・シークスの楽曲だと思うけど、かなりの改変あり。

Bandcamp:Luther Dickinson ft. Datrian Johnson→こちら
                :North Mississippi Allstars→こちら

2025年10月15日水曜日

The Autumn Defense、秋の海岸はいいよ。


WILCOのジョン・スティラットとパトリック・サンソンのサイド・プロジェクト、
約10年振りの新作6thAL『Here and Nowhere』より。
70年代のAMラジオから流れてきそうな心優しき楽曲が、丁寧に紡がれています。
毎年秋に着てるジャケットを今年もクローゼットから出して、
羽織ってみたそのフィット感、しっくり来る感があります。
上記はシングルでもない、アルバムの中の1曲。こういう佳曲が隠れているので侮れません。

Bandcamp:The Autumn Defense→こちら

2025年10月14日火曜日

Tony Molina 、天然色へ移行。


先月からリリースされているトニー・モリーナの新曲攻勢。
11月に最新AL『On This Day』が予定されているそうだ。
短い楽曲という基本路線は変わらないものの、サウンドの質感に若干のオーガニックさが加わっているように感じる。
ジャケもモノトーンから遂に脱却しているじゃないか。楽しみ。

Bandcamp:Tony Molina →こちら
過去の記事→こちら こちら

2025年10月10日金曜日

Studio Electrophonique、B&Sの幻影が・・。


英国シェフィールド発、High Hazelsというバンド(→YouTube)をやっていたジャイムス・リーズリーさんのソロ・プロジェクト。
これがベルセバに寄せたような歌い方になっていて、
まぁあの世界に近いです。
下記リンク先の「David and Jayne」という曲なんてモロです。

Bandcamp:Studio Electrophonique→こちら

2025年10月9日木曜日

Magic Fig、魅惑の無花果。


米カリフォルニアの好事家5人衆、マジック・フィグ。
牧歌的なワルツに誘われ夢心地になっているうちに、
だんだんとイビツな世界が進行していき、ぐっと惹き込まれる。
こんなにサイケでプログレなフォークが2025年にも出てくるとは、ありがたい。
初フル・アルバム『Valerian Tea』は11月リリース予定。
ちなみにデビュー・シングル「Goodbye Suzy」はアルバムには未収になるみたい。
名曲なので好きそうな方は是非チェックを→YouTube

Bandcamp:Magic Fig→こちら

2025年10月1日水曜日

『眠りこんだ冬』今月で25周年。


ま、とりたてて何もないですが。四半世紀。
まだ覚えている人は、ひっそりと愛でてやってくださいませ。
『眠りこんだ冬』備忘録→こちら


雨が降り続いた / 徳永憲

雨が降り続いた
二日ほど部屋から出ていないけど音でわかるんだ
そう 今降り出した音とは明らかに違う音さ

彼女は里帰り
「ちっとも楽しくなんかないわ」と電話では言っていた
でも 今の僕より この雨にイラついてる筈さ

リンゴン リンゴン これから涼しくなるみたいだね
リンゴン リンゴン リンゴン あたたかいコーヒーを淹れよう
リンゴン リンゴン 雑誌の並びをかえていたんだよ
リンゴン リンゴン リンゴン 意味ないシャワーも浴びたんだ

しかし、タオルケット
いつも君は僕に優しいね
清潔でセクシーだ
そう この前彼女も君のことを褒めていたんだよね

リンゴン リンゴン これから涼しくなるみたいだね
リンゴン リンゴン リンゴン あたたかいコーヒーを淹れよう
リンゴン リンゴン 雑誌の並びをかえていたんだよ
リンゴン リンゴン リンゴン 意味ないシャワーも浴びたんだ

僕は気分に罪を着せやしない
雨が進んで罪をかぶるから
忘れるように細胞ができてる
時が進んで罪をかぶるから
雨が進んで罪をかぶるから

雨が降り続いた 全てを包みこむ雨だった
正確で あてどもなく
そう 今はこの世でひとりぼっちになれたのかもしれない

2025年9月27日土曜日

Danny Ayala、レモン・ツイッグス・ファミリー。


最近もTchotchkeの最新作(→YouTube)プロデュースで気炎を吐くThe Lemon Twigsのダダリオ兄弟ですが、こちらもどキャッチーなポップ・コラボレーション新曲。
ツアー・メンバーのダニー・アヤラさんの1stソロAL『Only Fools Love Again』は、昨日リリース。
discogsを見るとFernando Perdomo(→過去の記事)と作った別名義ソロもある模様。
(今作もフェルナンドさんは大部分で関わっている)
最高に笑顔になれるポップさです。

Bandcamp:Danny Ayala→こちら

2025年9月26日金曜日

Mouseatouille、途中からカラーになるのでお見逃しなく。


オーストラリアの大所帯9人組。
Black Country, New Roadの前座を務めて注目を集める中リリースされた5年振りのアルバムとのこと。
下地はローファイ・フォークな歌心、そこに多彩なアレンジが装飾されていく仲良しサークル的な世界。とげとげしい音でも、まったりのんびり響いているので、どの瞬間も心地好いが、
果たしてこんなに腑抜けていてもいいのかという疑問は残る。

Bandcamp:Mouseatouille→こちら

2025年9月25日木曜日

Sharp Pins、ニュー・アルバムは11月。


2月の記事→こちら

とびきり甘い60'sメロディーの新曲来てます。
色々とサポート活動をしながらも、しっかりソングライティングの純度は維持してます。
ローファイ・へなちょこポップ好きを裏切りません。
11月に出る新作『Balloon Balloon Balloon』期待しましょう。

Bandcamp::Sharp Pins→こちら

2025年9月24日水曜日

The Rolling Stones、S・ウィルソンとの相性は未知数。


ついこの前、ハーヴェイ・マンデルのアルバムをSpotifyで聴いていて、
ストーンズでの演奏、もっと残ってないのかなと思ってたところだった。
1976年の名盤『Black And Blue』のデラックス仕様が11月に出ます。
わくわくですね。クリスマス商戦、大物のリイシューが出まくりだ。
上記は未発表だったシャーリー&カンパニーのカヴァー(オリジナル→YouTube)。
いいですね、好きです。
『刺青の男』DX収録のジミー・リードのカヴァー未発表曲「Shame Shame Shame」(オリジナル→YouTube)とは同名異曲ということになります。
キースがそのタイトルやったら、こっちやろがい、と『Some Girls』録音時に演りたがった説に一票入れときます。

2025年9月21日日曜日

Seth Timbs、その才能枯れるはずもなく。


日本でも00年代初頭に国内盤が出て、それなりに話題になった米テネシー州出身のピアノ・ポップ・バンドFluid Ounces(→YouTube)のセスさんです。近年活動が活発化。
最新作『Idle Hands』は一昨日リリースされたばかり。
いい曲ばかりなので、ポップ好きは(日々忙しいであろうが)チェックされたし。

Bandcamp:Seth Timbs→こちら

2025年9月19日金曜日

Photo Ops、新作カヴァー・アルバム。


米LAのテリー・プライスのソロ・プロジェクトPhoto Ops(シャッター・チャンス)。
本日リリースの5枚目のアルバム『Opening Up To Strangers』はカヴァーを集めた作品。
色んな時代の楽曲が含まれていて、衒いなく80年代ヒットも散りばめられているのが良かった。
上記は1984年のフィル・コリンズの大名曲。メロディーの良さがずば抜けてます。
その他、スティーヴ・ウィンウッドの「Valerie」(→YouTube)もすごく良かったです。

過去の記事→こちら
Bandcamp:Photo Ops→こちら

2025年9月15日月曜日

あなたはどこまでAIに心を許せるか。Part2

The Smiths - Heaven Knows I'm Miserable Now(AI Cover)

1月に書いた記事→こちら

さて、ザ・スミスのソウル・カヴァー風AI創作音源ですよ、皆さん。
どうですか?
かつてモリッシーは「多くの点で、未来はお先真っ暗だ」と言い放ったが、
こんなものが無料動画で拡散されるとは・・予言は当たってたのかもな。
でも、これが結構いいのが悔しい。

2025年9月13日土曜日

Algernon Cadwallader、どうして君は死ななければならなかったんだ?


米フィラデルフィアのEMO系バンド、14年ぶりの再結成アルバム『Trying Not to Have a Thought』が昨日リリースになったのだが、これがすごく良くてリピートしてます。
やぶれかぶれな青春感を永遠に継承していく意志が、あらゆる瞬間に満ち溢れている。
前も聴いたことある筈だが、こんなに良かったっけ?とびっくりしているぐらいだ。
キンセラ兄弟から受けた多大な影響が完全に血肉化されている。
その上で、ふつふつと湧き上がる感情を真正直に剥き出してくれている。
最高じゃないか。

Bandcamp:Algernon Cadwallader→こちら

2025年9月8日月曜日

Brògeal、ライブ絶対に楽しそう。


(7月に下書きのまま放置してました。UPしときます)
英スコットランド発、ダニエル・ハーキンスを中心とする5人組新人フォーク/パンク・バンド、ブロゲイル。
ジョー・ストラマーがポーグスに加入した時、おおっと腰を浮かした人にお勧めできそうなこの楽曲が10月に出るデビュー・アルバムのタイトル・トラック。
市井のパブの光景を描いたような内容で、こういう伝統が生き残っているのが嬉しい。
他の楽曲はギター・ロック的なものもあるので、興味のある方は是非チェックを。

Official Web Site→こちら

2025年9月4日木曜日

Neal Casal、悲しき手紙。


6年前に自殺してこの世を去った(→過去の記事)ニールさんの初期レア音源集『No One Above You (The Early Years 1991-1998)』がもうすぐ出るらしく、
心穏やかに聴けるのか、いささか心配。
以前にも取り上げた名曲「Cora Jones」(→過去の記事)も収録されている。
僕はこの人の歌が本当に好きだった。

Bandcamp:Neal Casal→こちら

2025年9月3日水曜日

The Nines、過ぎ去りし未来の残響。


過去の記事→こちら

5年くらい前、ソニーがビートルズDNAのキャンペーンをはっていた時、
このカナダ発のThe Ninesもちょっとだけ注目されました。
しかし、今やこの新作『Echoes of Past Future』、
サブスクにも上がっておらず、あんまり注目されていないようだ。
ばってん、手抜きなし!
上記のアルバム2曲目はエミット・ローズが乗り移っているのかと思った。
カセットMTR録音らしい。本当か? こんなにいい音で録れたかなー。
パワーポップ好きはジャケのセンスには目をつむって、楽しめるでしょう。

Bandcamp:The Nines→こちら

2025年9月2日火曜日

J.S. Mahlon、陶酔のファルセット。


米LAのシンガー・ソングライター、新作3rd『Still Here』より。
昨年もアルバム『Childhood』を出していて、僕はそれで知ったのだが、
今回はアコギのつまびきとジェントルな歌に焦点を当てているようだ。
ハードな側面はほぼ出てこない。
上記は先行曲ではない。こういういい曲を見つけると嬉しくなります。

Bandcamp:J.S. Mahlon→こちら

2025年8月29日金曜日

Quem é Você Alice?、あちらは冬です。


前々回に引き続き、欧米文化に影響を受けたブラジル発のインディー・バンドを紹介。
バンド名はQuem é Você Alice?(あなたは誰ですか、アリス?)というトリオ。
2023年に1stアルバム『Rolê Trevas pt II』を出していて、そちらはミッドウェスト感もある青春エモ・ロックでしたが、この最新曲はめちゃくちゃ切ないスロウコア路線。
よく聴くとメロディーにブラジルらしさがあって、たまりません。
この手の儚い音が好きな人は悶絶してください。

2025年8月28日木曜日

Cut Worms、ゆるふわメロディーメイカー。


過去の記事→こちら

この新曲のサビ、だんだんクセになる。
派手さはないし、あと一押しが欲しいところだけど、
自分だけが書ける自分らしい良い曲をちゃんと作ろうとしているのが分かる。
猿真似アーティストなんか全員淘汰されて、こういう才人だけ残ればいいのに。
WILCOのジェフ・トゥウィーディーのプロデュース(演奏にも参加)でシカゴ録音。
ざっくりラフな部分をそのまま記録した音作り。わかります、そのココロ。

Bandcamp:Cut Worms→こちら

2025年8月27日水曜日

Selvagens à Procura de Lei、掟を求める荒くれ者たち。


ガブリエル・アラゴンを中心とするブラジルのロック・バンドの5作目『Y』より。
適当にGoogle翻訳しながら調べると、どうやらこの作品の前にバンドの分裂があったらしく、
これは心機一転の内容になっているとのこと。
上記曲では「今年は死なない/君のためなら/すべてをもう一度やってみる」と歌われる。
ということは<去年は死んだ>ってことですかね、バンドが。
なるほど。熱い。非常にアンセミック。
こういうロックバンドをリアルタイムで発信してくれるメディアが日本にないですかね。

2025年8月26日火曜日

Water From Your Eyes、オルタナの逆襲、というか追撃。


これが現代のMatador Recordsですよ、と言われれば「ぐぬぬ。そ、そうですよね‥」と返すしかない米シカゴ〜NYの注目男女デュオ、Water From Your Eyes。
先週、2ndアルバム『It's a Beautiful Place』が出ました。
ビリー・アイリッシュの過激さをギター・ミュージック側から新解釈したような音楽性。
確認したらば、1stからの変化が大きいようなので、
これはもう天然でなく、確信的なブレインがいますね。
それも含めて脳をざくざく刺激してくれます。
故・渋谷陽一が聴いたら、お得意の「ラジカル」というワードが出てきそうだ。
バンド名が「涙」でなく「水」であるのがじわじわ効いて来ます。

Bandcamp:Water From Your Eyes→こちら

2025年8月25日月曜日

Laufey、これぞ才媛の安定感。


各所で評判のアイスランド出身、現在拠点を米LAに置くSSW、レイヴェイ。
最新3rd作『A Matter of Time』が先週リリースになったので聴きましたが、
確かにこれは素敵です。天井知らずのキャパの中で余裕綽綽の音楽が展開されている。
ジャズの枠を超え、ポップスのニュアンスを取り込みつつ、軽薄さが微塵でもないのは、
この歌声の温度があるからだろうか。
しかも、それでいて可愛げがあるので、無敵感が甚だしい。
今回はザ・ナショナルのA・デスナーと2曲組んでいて、そういうバランス感覚があるのも◎。
話題となった日本撮影のMVは→YouTube

Official Website:Laufey→こちら

2025年8月22日金曜日

Robin Taylor Zander、やっぱり似てますね。


Cheap TrickのVo、ロビン・ザンダーの息子さんの最新曲がザ・キンクスやELOを折衷させたような良曲。妹がコーラス参加している他はワンマン演奏らしい。
共同プロデュースはAerosmith、Cheap Trickでお馴染みのジャック・ダグラス。
もう爺さんじゃないだろうかと思って調べたら79歳でした。
どういう仕事をしたのか不明であるが、孫を見るような目線であるのは容易に想像できます。
ファミリーの外へ出て勝負する姿も見てみたいなぁ。

オフィシャル・サイト:Robin Taylor Zander→こちら

2025年8月21日木曜日

Spotifyで知った傑作 ⑤




サブスクはまったく期待せずに気軽にポチッとできるのがいいよな。
これは存在は知ってたけど、Spotifyで初めて触れて気に入った好例。
米デトロイト出身、Dorothy Ashbyの1968年作『Afro-Harping』。
リード楽器がハープの、オーケストレーションの入ったソウル・ジャズ。
他に聴きたいものが山ほどあるジャズ名盤を差し置いて、普通これを買おうとは思いません。
しかし、お気軽なポチッの後には、モンドでストレンジな新しい世界が広がる。
HIP HOPネタ好きの人から言わせれば「何を今さら」なんでしょうが、
色モノっぽいので、アルバム一枚をしっかり聴かせる力があるとは思いませんでした。
まだまだ暑いので、暑気払いにオススメしておきます。

過去リンク:Spotifyで知った傑作      
(2025/8/21 ①に追記しました)

2025年8月18日月曜日

Spotifyで知った傑作 ④




1969年米国オハイオ州で結成されたバンドの大傑作ライブ盤。
15.60.75(The Numbers Band)の『Jimmy Bell's Still In Town』(1976)。
人脈的につながりのあるDEVO、ペル・ウブ、ゴールデン・パロミノスなどは通っているのに、
このバンドのことは全然気にも留めていなかった。
これは本当に不覚中の不覚!
80〜90年代に有効的な再評価CDリイシューがなされてないと、漏れてしまうのか。
でも、そこに助け舟を出してくれるのがSpotifyのアルゴリズムだ。
「あんさん、こんなん絶対に好きでしょ」とおすすめしてくれた。
ぞくぞくするリズムの応酬は、90'sオルタナ、ガレージ系ジャムが好きな人全員必聴。
こんな凄いバンドがずっとオハイオ州のローカル・バンドでくすぶっていたなんて!
因みに、ぶいぶいサックスをブロウしている人はクリッシー・ハインドのお兄さんらしいです。
(そういやクリッシー姐さんもオハイオ出身でしたね)

過去リンク:Spotifyで知った傑作    

2025年8月17日日曜日

Color Green、耳に優しい緑色。


米LAのジャム系4人組バンドの新MV。
その名前に表明されているが、草の匂いがする牧歌的なサイケ。
これはいいです。めちゃ気に入った。
昨年出たアルバム『Fool's Parade』も◎。

Bandcamp:Color Green→こちら

2025年8月15日金曜日

S.C.A.B.、誰かが僕を彼女から引き剥がそうとする。


既にアルバムを2枚発表している米NYの4人組インディー・バンドの新曲。
今回初めて知ったバンドだけど、
中心人物のショーン・カマルゴは才能溢れる人なんじゃないかな。
(J・コープ〜D・アルバーン系の声も好きだ)
ぐしゃっとエフェクティブに潰れた音像の向こう側から、
だんだんと人間的な希求が伝わってくるのがとてもいい。

Bandcamp:S.C.A.B.→こちら

2025年8月14日木曜日

A Raspberries Tribute、来月出るそう。


Disk Union→こちら

9月に出るラズベリーズのトリビュート盤(2枚組)が豪華だ。
ジャケのセンスは如何なものかと思うが、楽しみながら聴けそうだ。
お馴染みの名前以外にも、本家ラズベリーズ〜フォトメイカー・メンバーの息子や、ロビン・ザンダーの息子、バングルスのメンバー、何気にユートピアの元メンバーが2人もいるし、ジェリーフィッシュ来日メンバーのエリック・ドーヴァーもいます。

オフィシャル・ストア→こちら

2025年8月11日月曜日

Spotifyで知った傑作 ③



https://open.spotify.com/intl-ja/album/5OtQlb0pY3Xkg0teNeVm22?si=aknimyDGREqnmuKH3OlxMQ

メル・トーメ(Mel Torme)は90年代にジャズを漁っていた頃にVERVE時代の作品を聴いて「ちょっと趣味と違うな」と思ったところで止まってました。不覚!
この作品を最初に聴いていれば、とSpotifyで知って地団駄踏んだ。
これはとっぽくて、ヒップで最高な歌ものジャズ。1962年制作の『Comin' Home Baby!』。
モッズが夜な夜な踊りこみそうなブルーなフィーリングと、焦点の定まったダンディーさがたまりません。数年前に何かのプレイリストに入っていて、おおっと思った。
今や中古LPも手に入れ、ご満悦な徳永でした。

2025年8月9日土曜日

Spotifyで知った傑作 ②



https://open.spotify.com/intl-ja/album/4ObCt5DESIWaEDrKjqGPld?si=RwpvCXMJRt-ILswpTLPLlA

アルゼンチン発、まったり系のHIP HOP/JAZZデュオ、Vinocioの2nd『Cafe Tortoni』(2020)。
くすんだクローズな音像がスライやマニー・マーク、ディアンジェロあたりを想起させつつ、
しっかりJ Dilla以降の感触もあり、めちゃ好みでした。
しかも、マッチョ感ゼロ。環境音楽的な機能もありつつ、渋くてストイックでもある。
Spotifyはある日突然これをオススメしてきた。
多分、アルゼンチンのプログレをよく聴いていた時期だったからだろうが、
知らない名前のアーティストを見たら、とりあえず聴いてみる習慣があると、
こういう出会いがあるので、やめられない。
彼らは今年も新作出してますので、気になる方は是非。

Bandcamp:Vinocio→こちら

2025年8月7日木曜日

Spotifyで知った傑作 ①



https://open.spotify.com/intl-ja/album/2ERqie1S8nRnxh14keiTBu?si=Pgmex9veTe-_Jvlla8Fikw

Spotify、そのやり口に色々と非難が上がったりしておりますが、
僕は新しい発見をしないと生きていけない音楽人間なので、やめることはできません。
ということで、新シリーズ。
Spotifyがなかったら絶対に聴くことがなかったであろう傑作アルバム。
出会わせてくれてありがとう(by徳永)シリーズです。
記念すべき第1回はアフリカのガーナ出身のミュージシャン、Ata Kakの1994年のデビュー作『Obaa Sima』(→Wikipedia)。
当初は50本カセットコピーが作られ、3本しか売れなかったらしい。
チープな打ち込みに、異常にONになったヴォーカルの異形パフォーマンス。
凄すぎるうえに中毒性が高い。これは知らなかったことを悔しがりました。
でも、遅すぎることはない。ジャンルに拘らず、真にオリジナルな音楽が誕生する発露、これを浴びたい人は全員必聴です。

Bandcamp:Ata Kak→こちら

追記(2025/8/21):
変な霊感が働いていたのか、すごいタイミングで新リマスター発売決定の知らせが。
加えて、30年振りの新作も11月に出るとのこと。下記リンク参照。
Disk Union→こちら

2025年8月4日月曜日

Ryan Lerman、喪失と自己防衛。


国内盤も出ていた軽薄お洒落ファンク・バンド、Scary Pockets(→こちら)のメンバーとして知られる米LAのギタリストの6年振りのソロ作品『Self Defense』。
大人気のヴルフペック人脈とも繋がっている人ですが、今回はファンキーさとは無縁のお洒落度の低い、静寂と冒険が交錯するSSW作品となってました。
で、これが高品質。上記は売れっ子ドラマー、アーロン・スターリングが協力しただけで、
あとはミックス、プロデュースまで全部自分一人で仕上げている。
じっくり傾聴するに値する名曲名演だ。

Bandcamp:Ryan Lerman→こちら

2025年8月2日土曜日

Cory Hanson、ずいぶん洗練されてきたな。


過去の記事→こちら

上記の記事の頃の変化がよりくっきりと確立されている最新ソロ4th『I Love People』。
ひしゃげたファズギターは意識的に抑えられ、かわりに鍵盤や管弦楽器が効果的に配置され、まるで本格的な70年代のシンガー・ソングライター作品のよう。
イーグルス〜ジャクソン・ブラウンなどを好む普通のロックファンが手元に置いて親しむべき内容だと思う。
いい曲が多いので、どれを動画で貼り付けようか迷ったけど、
最終曲「On The Rocks」を。「世界を売った男」みたいなギターアレンジを共有したいので。

Bandcamp:Cory Hanson→こちら

2025年8月1日金曜日

The Gnomes、やはり只者じゃなかった。


過去の記事→こちら

多分日本で最初に紹介した(?)上の記事から数ヶ月。
The Gnomes(ザ・ノームス)とバンド名に変更があり、
心機一転、正式なデビューと相成るそうだ。
その昨日アップされた新曲がめちゃくちゃポップで、ガレージーで、パワーポップで最高な出来。
前の荒削りな60'sレトロ路線を捨てるのは惜しいところだが、
ちゃんと売れる音になっていて、これはこれで正しい。
この手のバンド・サウンドが好きな人は是非!
今年後半に予定されているアルバム・デビューの頃にはもっと話題になっているでしょう。

Bandcamp:The Gnomes→こちら

2025年7月31日木曜日

Selector Dub Narcotic、脳汁沁みだすインディー・ファンク。


K Recordsの首領キャルヴィン・ジョンソンがトラックメイカーSmoke M2D6と組んだアッパーなダンス・ユニットが突如復活。
今月2曲を発表していて、どちらもハイセンスに狂っていて、かっこいい。
9月にアルバムを出すようだが、後半4曲が前半4曲のインストという変則的なトラックリストだった。本当にアルバム?
どちらにせよ、これが誰に刺さるのか謎ではあるが、
僕は昔からこの人好きなので、笑顔で楽しめた。
もう1曲の方のオートチューンVoはファン必聴でしょう。
重低音をブンブン鳴らしてるヤンキーの車が流してくれたら最高なんだけど。

Bandcamp:Selector Dub Narcotic→こちら

2025年7月29日火曜日

Spotifyリンク備忘録:C86シリーズ



















英NME誌が1986年にメール・オーダーで発売した伝説のカセット・コンピ『C86』から派生したシリーズ。フィジカルと違う簡易版含む。シーンの重要曲はなくとも、その亜流にこそ時代の空気が詰め込まれており。

Discogs:C86→こちら
Wikipedia:C86→こちら

2025年7月28日月曜日

2025年7月25日金曜日

Cloud Nothings、5年前のレア作を正式リリース。



先月最新作『Final Summer』をリリースしたばかりのクラウド・ナッシングスが、
コロナ禍にあった5年前にBandcampで発表していた2作品『The Black Hole Understands』『Life Is Only One Event』を突如解放し、正式リリース。

その時の記事→こちら

この2作品、耳に痛いゴリゴリ度が少なく柔和でぐっと来るので、うるさいノイズが好きじゃない人にはおすすめです。「The Mess Is Permanent」は「この町では息をするのもつらい」と吐露するこの時期ならではの佳曲。じわじわラストへ向けて高揚感が出てくるのが◎。
青春度の高い「Pattern Of This Place」も好きだなぁ。
最新作のことを書かないのも失礼なんで、シンセがキャッチーに鳴る「That Prince」(→YouTube)もおすすめしておきましょう。

その他過去の記事(古いよ)→こちら

2025年7月24日木曜日

The Cords、スコティッシュ・ポップ姉妹デュオ。


Bandcampのバンド紹介欄に「C86をまんま表現するDIYインディー・ポップ姉妹」と書いてました。それだけで応援したくなる新人、The Cords。
初ライブがヴァセリンズとの対バンらしいぞ。
9月にセルフ・タイトルのデビュー・アルバムが出ます。

Bandcamp:The Cords→こちら

2025年7月23日水曜日

RIP Ozzy Osbourne


10代の頃、聴きまくったオジー。永遠に大好きです。
70〜80年代の楽曲のメロディ・メーカーの才能の爆発っぷりはいつ聴いても感嘆する。
そして、やっぱりランディ・ローズ時代が最高ですな。
安らかに。

2025年7月21日月曜日

Whitney、ルーフトップ・コンサート風で。


過去の記事→こちら

11月に出る新作『Small Talk』からの先行新曲。
コクのない軽くまろやかなザ・バンドみたいな演奏で、いいっす。
オーガニックなバンド・サウンド路線に戻ってくれているのかな。
そうだと嬉しい。

Bandcamp:Whitney→こちら

2025年7月19日土曜日

Tullycraft、日和ってません。


米シアトルの伝説的インディー・ポップ・バンド、Tullycraft。
8月に出る6年振りの新作『Shoot The Point』からの先行曲。
トランペットがキャッチーだったりしますが、基本は屈折した青春ポップ。
MVにはロバート・スミスや『Faith』のジャケも出てきます。
許可は取ってないだろうが、それでいいのです。

10年以上前の記事ですが→こちら
Bandcamp:Tullycraft→こちら

2025年7月16日水曜日

Girlatones、暑いのでネオアコ的な何かを。


豪メルボルン発、ジェシー・ウィリアムスを中心とするインディー・バンドの新曲。
素朴なジャングリー・ポップの節々に垣間見れるネオアコ臭がたまらないですね。
気に入った方には『Horn If You're Honky』(2020)に入っていた「Saddest Synth」という素晴らしい脱力ポップもおすすめしておきます(→YouTube)。

Bandcamp:Girlatones→こちら

2025年7月13日日曜日

Heatmiser、最終作『Mic City Sons』の30周年記念盤。


エリオット・スミスがソロ活動と並行しながら参加していたバンド、ヒートマイザー。
そのラスト・アルバムが今月ジャック・ホワイトのThird Man Recordsから拡大版リイシューLPとしてリリース予定。MVが発表されてます。
レコ屋で働いていた感覚で言うと、当時はほぼ無風のリリースでした。
2年前に出た未発表曲集『Music of Heatmiser』でのエリオットさんは、まだがなり唱法だったけれど、この頃になるとソロの世界と近くなっています。デモが楽しみ。

Bandcamp:Heatmiser→こちら

2025年7月10日木曜日

Graham Hunt、地下室よりポップの狼煙を上げる。


(下書きのまま放置してました。UPします)
米ウィスコンシン州出身のSSWグレアム・ハントの新作『Timeless World Forever』がSTEREOGUMのアルバム・オブ・ザ・ウィークに選ばれてます。
基本自分で録音、ミックスをしてきたDIYな人で、
そのスタイルは今も保持している模様。
上記、なかなかの名曲だと思います。

Bandcamp:Graham Hunt→こちら

2025年7月7日月曜日

Nó、現代流の街角クラブか。


ブラジルのミナス地方出身のいとこデュオ。
昨年発表されたデビュー・アルバム『Aproar』を遅ればせながら聴いていたところ、
(ネオアコ好きでまだ未聴の方は是非この曲を→YouTube
もう新作EP「calmo e urgente」が出てきました。
ずっと前に紹介したMoonsとも交流があるようで(→過去の記事)、
この曲はアラゴアス州出身のSSW、イタロ(Ítallo→Disk Union)とのコラボ。
こう繋がってくるか、という人脈が面白い。

2025年7月5日土曜日

Katie Gregson-MacLeod、草原で台風クラブごっこ。


2001年生まれ、英スコットランドのSSWの新EPより。
トラッド・フォーク好きにはたまらん歌唱が聴ける。
デビュー・アルバムはまだ先のようだが、
ソニーがしっかりバックアップしているので、
今後露出が増えていくことが予想されます。

Katie Gregson-MacLeod:Official Website→こちら

2025年7月4日金曜日

Jonathan Richman、脳がとけるカヴァーもあり。

 

現在74歳、ジョナサン・リッチマンの新作『Only Frozen Sky Anyway』が本日リリース。
前作に引き続き、盟友ジェリー・ハリソン(モダン・ラヴァーズ〜トーキング・ヘッズ)のプロデュース参加で、とことん贅肉を削いだ天然素材の核のみが味わえるベースレスな編成になってます。
3曲目には何でカヴァーしたのかその理由さえ溶けて無くなってしまったかのような、
ビージーズの脱力カヴァーもあります。
蒸し暑い常夏下で聴くと、本当にこの世のしがらみがどうでもよくなります。
上記は往年のモダン・ラヴァーズ・スタイルが楽しめる5曲目「The Dog Star」。
「That Older Girl」も同様で良かったです。

Bandcamp:Jonathan Richman→こちら

2025年6月29日日曜日

Santiago Motorizado、流転のグーグル・マップ。


アルゼンチンのバンド、El Mató a un Policía Motorizadoのヴォーカリストの初ソロより。
じわじわスケール感を増していく曲調に、
MVのオフビートなユーモアが合ってるような、合ってないような。
でも、アイディアは素晴らしいな。

Bandcamp:El Mató a un Policía Motorizado→こちら

2025年6月26日木曜日

Ella Mae Dixon、今秋アルバム・デビュー予定。


米マサチューセッツ州出身で、今は拠点をニューヨーク(MVはマンハッタン撮影)に移している21歳のジャズ・シンガー、エラ・メイ・ディクソン。
上記は超有名曲「テイク・ファイブ」のカヴァー。
散々やりつくされてきた楽曲だと思うが、
ギター・トリオの最小バッキングを選んでいるところに気概を感じさせます。
スキャットもはまってる。
さて、今後どんな活躍を見せてくれるんでしょーか。

2025年6月20日金曜日

Barbara、デビュー・アルバムは9月。


2021年からシングルやEPを発表していた英国ブライトン出身、タイデマン兄弟によるポップ・デュオ、バーバラ。
いよいよアルバム・リリースとのことです。
プロデューサーには同郷のポップ職人ポール・スティールの名前もあります。
この超強力な先行曲はポール・ウェラーのスタジオで録音させてもらったそう。
凝りまくって、めちゃくちゃ気合いが入っているのが伝わってきます。
いつまで経っても人気が出ないのは可哀想だが、マニアは必ず聴いておきましょう。
スクイーズのC・ディフォードや、ディバイン・コメディのニール・ハノン、
スティーヴ・リリーホワイトなど、その筋からの高い評価も得ている。
きっと弩級のメロディー・ポップ作品になっているはず。
詳しくは下記Bandcampへどうぞ。

Bandcamp:Barbara→こちら
Paul Steelの素晴らしい楽曲もレコメンしときます→YouTube

2025年6月18日水曜日

Westside Cowboy、オーライオーライオーライ。


8月にEPデビューする英国マンチェスターの4人組ガレージ・バンド。
女子ベーシストも含めフロントマン3人歌えて、確かなインディー精神を保持しつつ、
曲作りに潜在能力を感じさせるのでご紹介。
白Tシャツのブライアン・アダムス的ファッションに、
シャーベルのギターを臆せず堂々と使い、それでいてこの不敵な面構え。
かっこいいです。

Bandcamp:Westside Cowboy→こちら

2025年6月15日日曜日

VVonder、ポップ好きは必聴でしょう。


2022年にデビューしたカナダの4人組良心的ポップ・ロック・バンド、VVonder(ワンダー)。
上記は今週リリースされた2ndアルバム『Stumble On』先行曲。
Spotifyのバンド紹介にはビートルズ、スティーリー・ダン、フリートウッド・マックらの名前を挙げていて、つまり現代の売れ線トレンドは完全無視という姿勢を取ってます。
ただしレトロ・ロックでもない。
モダンなサウンドの中で自分達のやりたいことを表現している人達。
個人的にはデビューした頃のPHOENIXを思い出した。
クラシック・ロックの名盤のLP、CD聴き比べばかりしてないで(自戒)、
こういうバンドにお金使いたいですね。

Spotify:VVonder→こちら

2025年6月13日金曜日

Linus Of Hollywood、リック・スプリングフィールド再評価。


オーストラリア出身、70年代初期に音楽で一旗あげる為にアメリカへ渡ってきたが、
鳴かず飛ばず。しかし、ルックスの良さを買われTVドラマ俳優になってからは順調に音楽でもヒットを飛ばしたリック・スプリングフィールド。
そういった芸能界っぽい経歴の為、パワーポップ界では長年不遇な扱いであったが、
サブスク時代になって「これってやっぱパワーポップだよね」と再評価があったのか、
先月末にカヴァー集『Second by Second by Minute by Minute: The Songs of Rick Springfield』が出ました。
そのなかのライナス・オブ・ハリウッドのジェリーフィッシュ・マナーの1曲。
めちゃくちゃいいカヴァーです。
黄色い声援が飛ぶご本人のキラキラ・パフォーマンスはこちらへ→YouTube

過去の記事→こちら

2025年6月7日土曜日

Ben Kweller、音楽はずっと共にありけり。


ベン・クウェラーの最新リリース・アルバム『Cover The Mirrors』より。
この曲の(胸が痛む)背景についてはNME JAPANの記事へ→こちら
ドリアン君のZEV名義の楽曲は→こちら
2歳の時の素晴らしい動画→YouTube

同じ世代の子を持つ親としては筆舌に尽くし難いところではあるが、
それでも人生は続くんだ、ということをこの新曲は教えてくれる。

2025年6月5日木曜日

ノーザン・ソウルを聴こう!



70年代のノーザン・ソウル・ダンサーの映像を使ったPULPの新曲に触発されてノーザン・ソウル・プレイリストを作ってみたよ。
うちに結構な数あるCDコンピを漁って、メロディアスな楽曲中心に。
ディスコっぽいのは趣味じゃないんで基本的に60'sがメインです。
鼻持ちならないノーザン・ソウル原理主義に依って有名なモータウンなどは除外。
週末の労働者階級オールナイター気分で長尺にしてもいいのだが、そういうプレイリストは一杯あるので、ここはぎりぎりCD2枚に収まるぐらいの長さにしてみた。
曲順は適当なので、シャッフルでもいいかも。
ちなみに90年代にヴァージンメガストア池袋店でノーザン・ソウルにキャプションつけてたのは僕です。あの頃もSTUDIO VOICEで特集組まれてたり、それなりに盛り上がっていたものです。
はい。

で、以下にSpotifyに存在せず入れられなかった楽曲を厳選。
キャッチーなソウル/ポップが好きな人はきっと気に入ってくれる筈です。
みんなでノーザン・ソウルを聴こう!
「Are We Ready For Love」Patti Austin(→YouTube
「Our Love Is Getting Stronger」Jason Knight(→YouTube
「What」Judy Street(→YouTube

2025年6月3日火曜日

Hotel Lux、放心が研ぎ澄まされていく。


ニック・ケイヴやアラブ・ストラップなど好きな人間にとっては、たまらん。
英ポーツマス出身の5人組、2017年から単発的にリリースを重ね、2020年に正式デビュー。
2023年には1stアルバム『Hands Across The Creek』(ビル・ライダー・ジョーンズのプロデュース)をリリースしているが、比べてみてもこの新曲は一皮剥けた印象。
陰鬱なのに浄化されているようであり、悲しみを突き抜けたアザー・サイドといった趣あり。
よく練られてもいて、3分半以降の展開がとても好きだ。
これが一発録りというから頼もしいではないか。
ライブを目撃してみたいぞ。

2025年6月1日日曜日

Case Oats、WILCOのファンも注目で。


シカゴ発、大型新人5人組フォーク/カントリー・バンド、Case Oats。
中心となるのはケイシー・ゴメス・ウォーカー嬢と、ドラマーのスペンサー・トゥイーディーという何やら親密そうな二人。
スペンサー君、親父にならって本格的にSSWになるのかと思っていたら、その道は一旦保留したのか(→Bandcamp)、今はこのバンドに尽力したいということなのか、がっつりプロデュースまで買って出てます。
デビュー作『Last Missouri Exit』は8月リリース予定(レーベルはMERGE)。
表題のミズーリ州はケイシー嬢の出身地で、高速道路「ミズーリ州最終出口」の意。
彼女はそこを過ぎて、このリリースまでこぎつけたのだろう。
ちなみにギターで参加のMax Subarも自身のSSW活動をしてます(→Bandcamp)。
そちらの作品もすごく良い内容だったので、フォーキー好事家は是非チェックを。

Bandcamp:Case Oats→こちら

2025年5月31日土曜日

Pavement、これは名カヴァーなのではないか?


オリジナルはEverything Is Everything(→YouTube)、ハーパース・ビザールのヴァージョン(→YouTube)が有名な名曲のカヴァー。
ペイヴメントの謎すぎる伝記映画『Pavements』のサントラより。
映画の予告編トレイラーは→こちら
すでにサブスクでサントラ全貌が聴けますが、
ファンは絶対に“買い”な内容でした。
下記Bandcampによると、後日フィジカル・リリース予定あり、とのこと。

Bandcamp:Pavement→こちら

2025年5月30日金曜日

The Honeydogs、まだまだ元気な新曲です。


米ミネアポリス、レヴィー兄弟を中心とするバンドの新曲。
90年代に覆面バンドGolden Smog絡みで僕も名前を知り、
アルバムが出るたびに買ってました。
オルタナ・カントリー系でもビートリッシュ寄りなんだよな。
で、考えてみればもうデビュー30周年。
この新曲、主要メンバーは変わってないし、プロデュースは馴染みのジョン・フィールズだし、
仲間の絆を感じます。
何度も聴いていると、はまってくる曲作りも健在です。

追記:アルバム『Algebra for Broken Hearts』、すごく良いのでアメリカーナ系好きな人は必ず聴こう(7/25)

2025年5月29日木曜日

Florry、野放図にやらせてあげて。


過去の記事→こちら

ザ・キンクスの「Arthur」とエルトン・ジョンの「Saturday Night's Alright For Fighting」を合体させたようなリフに、情けない歌がたっぷり乗る冒頭曲。
米フィラデルフィアのFlorryの先週出た新作『Sounds Like...』より。
楽しいんだけど、やぶれかぶれな危うさもあり、放っておけない魅力が横溢しております。
今は爆発的に売れなくとも、数年後にカルト名盤扱いされている可能性は大だ。

Bandcamp:Florry→こちら

2025年5月28日水曜日

Louis Philippe & The Night Mail、渋谷系?いつの話だ。


(下書きのまま3月から忘れてました。遅れてUPしときます。)

80年代後半のél Recordsでの活動で知られるルイ・フィリップさん、現在のバンドの新曲。
5月に2nd『The Road To The Sea』が出るそうでそこからの先行。
声とかほぼ変化なし。あの頃のイメージのまま。
手練に囲まれて上品な一流のポップスを作ってます。

Bandcamp:Louis Philippe & The Night Mail→こちら

2025年5月24日土曜日

Don't Worry、アー写は4人横並びです。


英エセックス出身のローナン&サミュエルのデュオを核とする4人組Don't Worryの、
7月に出る3rdアルバム『Idealism』からの先行曲。
ウィーザー的なキャッチー・メロがあって、耳に残りました。
EMOの影響下にある音楽性で、イギリスっぽさは少ないが、
頑張って10年以上のキャリアを保持している人達のようだ。

Bandcamp:Don't Worry→こちら

2025年5月23日金曜日

Comet Gain、アウトサイダーズに手紙を。


中年太りに負けません。
60'sのフリーキーなビートに今も魅せられている90年代の英国インディー・バンド、コメット・ゲイン。バリバリのかっこよき新曲です。
まだまだ荒々しいし、日和っていません。
ニュー・アルバム『Letters To Ordinary Outsiders』は来月リリース。
近年の諸作は聴けてなかったので、これを機に聴いてみることにする。

Bandcamp:Comet Gain→こちら

2025年5月21日水曜日

Tom Henry、これもカイ・スレーター絡みです。


米シカゴ出身、現在はLAで活動するSSW、トム・ヘンリー。
デビュー・アルバム『Songs to Sing and Dance To』は来月末予定で、なんとLifeguard/Sharp Pinsのカイ・スレーターのプロデュース。
どんだけ仕事してるんでしょうか、彼は。しょっちゅう名前を書いているぞ。
先日の記事じゃないが(→こちら)、本当に仲間思いなんだろう。
点が線となり、輪となって、シーンが生まれようとしている、
今リアルタイムでそんな光景が見れています。
上記楽曲、70年代のラズベリーズ、バッドフィンガー、ビッグスターあたりを彷彿とさせるメランコリックさ。これはきっと日本人が大好きな音でしょう。
因みにMVは同じくLA拠点のケイト・ボリンジャー嬢が手掛けているそうだ。

Bandcamp:Tom Henry→こちら

2025年5月20日火曜日

Penelope Road、若者たちのAOR。


昨年EPデビューを果たした米アトランタの5人組の新曲。
レーベルは大メジャーのWARNERだけど、派手な露出はあえて避けて、
じっくりゆっくり支持を広げていく作戦を取っているようだ。
それもこの音楽性の確かさ故か。自信があるのだろう。
夏に合う楽曲を探している方は是非。
素晴らしいです。

2025年5月15日木曜日

Flesh Panthers、甘くて酸っぱい桜桃の種。


米シカゴのロックンロール・バンドの新作5th『A Nice Chunk』より。
6年振りらしく、随所にきらりと良いメロディーが光る。
「Like A Rolling Stone」をもじったような上記曲、気に入りました。
ちょっとVoのリヴァーブは余計だと思ったが、どうやら前からこういう音作りが好きなようです。

Bandcamp:Flesh Panthers→こちら

2025年5月13日火曜日

M Ross Perkins、彼は一体どうした?


以前も紹介した(→こちら)米オハイオの世捨て人風SSWの、今月リリースされた最新作『What's the Matter, M Ross?』がなかなか振るった出来栄えである。
タイトルにもあるが、突然どうしちゃったの?と言いたくなるポップさで、
ワンマンで多重演奏、録音をしているからか、はちきれるようなダイナミックさは無いけれど、良曲を揃えてきてます。
気負いがなさそうなので、これが天然なのかもしれないが。

検索してたら、萩原健太さんの記事を見つけた。
直リンクですいませんが、そちらもご覧を→Kenta's...Nothing But Pop

Bandcamp:M Ross Perkins→こちら

2025年5月12日月曜日

Finn Wolfhard、類は友を呼び、インディー界は回る。


子役やモデル経験もあり、Calpunia(→YouTube)やThe Aubreys(→YouTube)といったバンドにいたカナダ出身のフィン・ウルフハードのソロ・デビュー・アルバム『Happy Birthday』(来月発売)より。
友人を介して知り合ったLifeguard(→こちら)、Sharp Pins(→こちら)のカイ・スレイターのプロデュース。
二人が意気投合したことが容易に想像できるローファイなジャングリー・ポップで、
やっぱりこれも大好きです。MVも馬鹿馬鹿しくて◎だ。
来たるアルバムに期待大です。

Official Website:Finn Wolfhard→こちら

2025年5月10日土曜日

Superslow、否が応でもファズ・ポップ。


去年『I Feel Like It's Over』(→オススメ曲YouTube)でアルバム・デビューした北欧ノルウェーの新人バンド。
Spotifyのバンド紹介欄に「否が応でもファズ・ポップ」って書いてありました。
ということで、音像の一番前にギターが来ていて、必要以上に歪んどります。
いくら甘いメロディーであろうが、意に介せずバリバリと。
ぬり絵の線より外に色がはみだしちゃう。そんな勢いで。
ちょっと違う曲調もあるけど、パワー・ポップと呼んでもいいでしょう。

2025年5月9日金曜日

aron!、オールド・タイミーなジャズ新人。


米ノースカロライナ出身、ガットギターを抱えた21歳の新人SSWのデビュー曲。
名門VERVEに移籍して、これからのメジャー展開も期待されよう。
結構ポップな過去音源もいいので(→YouTube)、これからどういう方向でいくのか興味津々。
とりあえずこのフェアグラウンド・アトラクションみたいな趣きは貴重です。

UNIVERSAL MUSIC JAPAN→こちら

2025年5月5日月曜日

Caper Clowns、POP好きは必聴で。


2010年結成、デビューは2016年、デンマークの5人組パワー・ポップ・バンド、Caper Clownsの来月出る4th新作『Without A Safety Net』からの先行曲。
過去作をチェックしたら、ほんのり哀愁を感じさせるメロディーを得意としているのか、良い曲がいっぱいあって、ディグが楽しかったです。

Bandcamp:Caper Clowns→こちら

2025年5月1日木曜日

Sufjan Stevens、このデモは尊い。


曲というのものは生まれた瞬間が一番いい、と思うことがたまにあるが、
これを聴くとさもありなん。
5月末にリリースされる名盤『Carrie & Lowell』の10周年DX盤に入っているというアルバム冒頭の「尊厳死」のデモ。
亡くなった母親への混乱した愛情を吐露した名曲だ。
アルバム完成版より、作者の息吹が鮮明に記録されていて、胸が痛いぐらいだ。
スフィアンはやっぱり天才。このデモでそれがはっきりと分かる。

Bandcamp:Sufjan Stevens→こちら

2025年4月30日水曜日

Far Caspian、再生を鳴らす。


アイルランド出身、ジョエル・ジョンストンのソロ・プロジェクトFar Caspianの新曲。
3rdアルバム『Autofiction』が7月にリリース予定。
下記バンドキャンプのキャプションに書いてあったが、近年はクローン病や心の病に苛まれていたらしい。そこから立ち直る過程が鳴らされた内容らしい。
確かに一聴して、何か音に込められたものを感じる。
ポーズやファッションの音楽性でなく、自分の内面を刻み込んでいることが伝わってくる。
ナローなドラム・サウンドが徐々に荒々しくなってくるのがいいっす。

Bandcamp:Far Caspian→こちら

2025年4月29日火曜日

David Mead、6年振りの新作です。


米ナッシュビルを拠点にしているSSWデヴィッド・ミードの新曲。
そこはかとなくポール・サイモンを思わせる旋律で、曲名も「アメリカ」をもじったのか、
などと邪推したが、ま、そんなことはないだろう。
新作AL『January, San Fernando』はBandcampで先行リリースされている。
サブスク解禁はまだ先になりそう。
お好きな方は下記リンク先へ。

Bandcamp:David Mead→こちら

2025年4月26日土曜日

Madalitso Band、正真正銘オフロード・バンド。


アフリカ大陸南東に位置するマラウィ出身の2人組。
僕は2年ぐらい前に知って、いつか取り上げようと思っていたのだが、やっと紹介できます。
3年振りの新作3rdアルバム『Ma Gitala』が6月に出るそう。
彼らの特徴はそのオリジナル楽器。
ジャケ写だけで説明するのは困難なのでライブ動画へ→YouTube
どの曲もほぼワン・アイディアなれど、そこには音楽が生まれた瞬間があり、
ピュアな息吹があり、中毒性がある。
今回は初めてスタジオでしっかりと録音した作品らしいが、さて如何に。

ちなみにグループ名はニャンジャ語で「祝福バンド」。
昔は(今も?)結婚式を回っていたらしい。
で、新曲のタイトルは「彼女は鶏の足のせいで死んだ」だそうです。
よく分からんが、とにかく来日希望だ!

YouTube:Madalitso Band→こちら
Bandcamp:Madalitso Band→こちら

2025年4月25日金曜日

St. Clementine、撫で肩をむしろ強調する。


米国ボストンの男女5人組新人バンドSt. Clementineのデビュー曲。
折れそうな首をしている男子Voが歌うその一言目は、
「今日はまったくガリガリの気分だ」。

なよっとしているのかと思いきや、
後半はアバンギャルドなアレンジ(ドラム女子が何気にすごい)もあり、
色んな可能性を秘めている感じがする。
他にどんな曲があるのか楽しみなバンドだ。

Bandcamp:St. Clementine→こちら

2025年4月24日木曜日

John Myrtle、春の風が吹き抜けるが如く。


過去の記事→こちら

7月にリリース予定の2ndアルバム『The Little World of You & Me』より。
7/8拍子の軽快なインディー・フォーク。
ちょっとS&Gの「April Come She Will」(YouTube)みたいなメロで、
春を感じました。

2025年4月21日月曜日

Chris Stamey、レモン・ツイッグスと共演。


7月に出るというクリス・ステイミーの新作『Anything Is Possible』(Label 51)より。
冒頭のアナログ・テープの巻き戻し音に、
ビーチ・ボーイズ・マナーのイントロに加わるダダリオ兄弟のコーラス。
これは最高に笑顔になれます(コーラスのみの音源は→YouTube)。
アルバムには他にマーシャル・クレンショウやWILCOのパット・サンソン、ミッチ・イースター、ドン・ディクソンら大勢のゲストが参加しており、『ペット・サウンズ』の「Don't Talk (Put Your Head on My Shoulder)」のカヴァーも収録されるそうだ。

そして、盟友ピーター・ホルサップルの新作『The Face of 68』(Label 51)も今年リリースされてます。こちらはノスタルジック・ポップでなく、68歳の心象風景を投影させた等身大なフォーク・ロック。へなちょこだった歌(褒め言葉です)も年相応に滋味深くなっていて、包容力が出てきています。
気になる方は素敵な先行曲「She and Me」のMVをぜひ。→YouTube

Chris Stamey:official site→こちら
過去のThe DB's記事→こちら こちら

2025年4月20日日曜日

Brian Campeau、異能という他ない。


前回の記事(→こちら)、覚えている人はいないだろうが、書いた僕は覚えてます。
ブライアン・カンポウさんが復活した。
あれから無秩序にジャンルを横断していたカナダ出身(活動拠点はオーストラリア)のSSWさんですが、5年間音沙汰がありませんでした。
その彼が突然新曲を発表。今度はなんとヨーデルです。
意図は計りかねるものの、やっぱり才能の迸りを感じる。
一般ウケはしないんだろうが、僕にはちゃんと響きました。
これからも我が道を邁進していただきたい。

2025年4月19日土曜日

Black Market Karma、ずっと聴いていられるギター・サイケ。


ソニック・ブームと繋がりもある英国ドーヴァー発のスタンリー・ベルテンのプロジェクト。
くすんだ歪みと、アナログ・タッチなディレイがいい味出してる新曲。
ワンコードでどこまでも。
新作アルバム『Mellowmaker』は6月予定。

Bandcamp:Black Market Karma→こちら

2025年4月18日金曜日

King Gizzard & The Lizard Wizard、相変わらずの情報量。


初めて彼らのことを書いたのはもう10年近く前になるが(→こちら)、
まだ面白いです。
今度はオーケストラっぽい編曲を施した作品になるらしい。
去年出た先行アルバム・タイトル曲「Phantom Island」は確かにそんな感じだったが、
上記曲はホーンを大々的にフィーチャーしたパーティー・チューンで、
こういう路線も含まれているのか、と。
楽しいですな。
相変わらずの情報量、過剰なパワー、お構いなしに突っ走ってくれているその姿勢がいいです。

Bandcamp:King Gizzard & The Lizard Wizard→こちら

2025年4月12日土曜日

Nick Drake、これを僥倖と言わずして。


ニック・ドレイクの名盤1st『Five Leaves Left』完成までの過程が収められた4枚組ボックスが7月にリリースされるとのこと。
どうせしょぼい音質なんでしょ、と思い上記先行公開曲(「'Cello Song」と異名同曲)を聴いてびびった。
これは、すごい。
しっかり聴けるクオリティーだ。こういう録音がなおも残っていたなんて。
そして、歌と演奏自体も素晴らしい。
リリースの1年以上前の段階でこの引き締まり。
レア音源集『Time Of No Reply』でも知られていたが、凛とした空気感は完全に出来上がっている。これは是非ともいい音で聴きたい。

詳しくはSuper Deluxe Editonさんへ(→こちら

2025年4月11日金曜日

Lifeguard、ブレイク近し、か。


2月に紹介したSharp Pins(→こちら)の記事にはハードコアっぽいと書いたLifeguardだが、
この新曲は妙にキャッチーな聴き心地。
そういうモードになってきたか。
これは6月に出る初アルバム『Ripped and Torn』(Matador)が楽しみになってきた。
プロデュースはNo Ageのランディ・ランドール。
MVのトリオ・メンバーの雰囲気も画力あって良い感じだ。
シカゴ出身ということで、WILCOのあのビルも映ってますな。

Bandcamp:Lifeguard→こちら

2025年4月10日木曜日

Beharie、春に憂いなポップを。


ノルウェー出身、アコギを抱えたインディー・ソウル系のアーティストBeharie。
2023年にデビュー・アルバムを出していて、それに続く新曲。
父がジャマイカ系とのことだが、そういう影響はあまり表に出ていなくて、
何となくマイケル・フランクスを想起させるようなAORっぽい音。
ポップだけど、ちょっと憂鬱を秘めた感じがいいですね。

2025年4月5日土曜日

The Violet Mindfield、夢はナゲッツ収録か。


米カリフォルニアの5人組60年代風ガレージ・バンド。
詳しくはBandcampへ→こちら
10年程前の音源も上記と大差ないのは、
筋金入りである証左。
60年以上前のカッコイイ音楽に永遠にインスパイアされ続け、
一生を捧げるつもりなんだろう。
その心意気に脱帽です。

2025年3月30日日曜日

Gold Dust、サイケ・フォークはカルトの道なり。


スティーヴン・ピアースを中心とする米マサチューセッツ州の4人組サイケ・フォーク・バンドの新曲。
アウトロでJ・マスシスがエレクトリック・シタール・ソロを披露している。
Jさんは名曲「ワゴン」でも同楽器を使ってましたね。めちゃくちゃ古い話だ。
(関係ないが、世間的に有名なシタール・ソロと言えば、スティーリー・ダンの「Do It Again」あたりか。)

ま、それはさておき、Jさんはこのバンドを結構気に入っているようで、僕は全くノー・チェックだったが、前作にも参加していたようです。「Larks Swarm a Hawk」という曲で、より個性が出ているソロを弾いてるので、興味ある方は是非(→YouTube)。
このサイケ感、なかなかの本気度合いですね。

Bandcamp:Gold Dust→こちら
参考までにこの曲も:Heal The Star / J Mascis→YouTube

2025年3月28日金曜日

MJ Lenderman、This Is Loreleiと共演カヴァー。


This Is Loreleiが昨年発表したアルバム『Box for Buddy, Box for Star』のデラックス盤が出るらしく、そこに収録されているMJレンダーマンをリードVoに迎えた再録共演ヴァージョン。
原曲は(→YouTube)はオートチューンを使っていて、その時点で自分のアンテナにはひっかかってなかった。今回初めて知った。
で、上記再録ヴァージョン。これが最高の出来。こういう寂寥感ある孤独な歌を淡々と歌って様になる歌い手になると、もう何歌っても良く聞こえます。
Wednesdayは最近脱退したらしいので、今後この歌を聴ける機会は増えていくだろう。
以下、ぐっと来た歌詞の訳を。

「スティーリー・ダンを歌った
 風吹く中「Shake it!」と叫んだ
 そうさ、負け犬は勝つことはない
 僕は負け犬さ、これまでもこれからも

 今日、あなたの愛を失った
 さびしい夏の風の中
 自分の夢の中で夢を見ていた
 そう、最大の敵はやはり自分自身なのさ」

MJ lenderman:過去の記事→こちら
Babylon Sisters / Steely Dan→YouTube
This Is Lorelei:Bandcamp→こちら

2025年3月24日月曜日

The Milk Carton Kids & Madison Cunningham、とろけます。


「AEA N28」というステレオ・リボン・マイクを1本立てて、
その周りでミルク・カートン・キッズとM・カニンガムが歌っている動画。
これがヘッドフォンで聴いているとめちゃくちゃ気持ち良くて、
さすが最新の高級マイクは違うと思いました。
42万円もするそうです。
YouTube音質でこの温かみを出してくるので納得ですが。
とにかくこのハーモニーは最高。

過去の記事:
The Milk Carton Kids→こちら
Madison Cunningham→こちら

2025年3月22日土曜日

Tom Misch、じんわり来て、最後にギターソロ。


トム・ミッシュの新曲。
今までとがらりと趣向を変え、70年代的なクラシック・ロックの響きになってます。
そういうモードに入ったらしい。
で、共作者に選んでいるのがマット・マルチーズ(過去の記事→こちら)。
目の付け所が良すぎます。
MVに出てくる観客の老人(Old Man)は実のお父さんだそう。
じわっと来ますね。

2025年3月19日水曜日

Sam Grassie、英国フォーク好きに。


YouTubeチャンネルを見るとバート・ヤンシュ、デイヴィー・グレアム、ウィズ・ジョーンズらのカヴァーを披露している、完全にその筋のギタリストの新曲。
マリのブルースを融合しているそうだが、確かにイントロがそれっぽい。
グラスゴー/スコットランド出身。
現在はロンドンのフォーク集団ブロードサイド・ハックスに在籍しているそう。
ブリティッシュ・フォークの伝統は脈々と受け継がれております。

Bandcamp:Sam Grassie→こちら

2025年3月16日日曜日

The Pale Fountains、未発表音源含む。


チェリー・レッドから5月にペイル・ファウンテインズの4枚組『The Complete Virgin Years』が出るらしく、早速HMVで予約してみた(詳しくは→Cherry Red Records)。
ジャケがそっけない気もするけど、箱やら装丁ブックのつかない簡素なリイシューなので、
まぁ許容範囲。むしろ音を楽しみにしたい。
上記は2ndにひっそり入ってる名曲。青春ですなぁ。

2025年3月10日月曜日

Bob Dylan、1963年のカーネギー・ホール。


映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』、アカデミー賞は逃したけど、
盛り上がってますね。
そんなわけで便乗企画。
個人的に大好きな1963年のCarnegie Hallのライブをまとめたプレイリストを作ってみました(22歳のディランの声がハスキーで良いのと、録音の具合が好きなのだ)。
この日演奏されたのは19曲。SETLISTは→Bob Dylan Official Websiteへ。
Spotifyで公開されてないのは「Blowin' in the Wind」「Percy's Song」「Seven Curses」「Walls of Red Wing」「Talkin' World War III Blues」「Don't Think Twice, It's All Right」「Only a Pawn in Their Game」の7曲。それらは2013年に出た50周年記念限定アナログBOXでしか聴けない。
それも著作権切れを防ぐために出されたものなので、既にリリースされていた音源は含まない不完全なものだった(僕も未入手です)。
いつかは完全版でのCD企画を期待したい。

ちなみにこの翌年にはブートレッグ・シリーズの『Live 1964 (Concert At Philharmonic Hall)』がありまして、そちらも名演です。が、ちとギターのチューニングが甘いのが惜しくて、声がカエル傾向にあるので1963年とは印象が変わります(声の張りは強くなってる)。
ま、基本的にディランの60年代の録音物はほぼすべて求心力が尋常でなく素晴らしいので、そういう変化も含めて楽しめます。僕も一生聴き続けるだろう。

さて、そんなディランですが、もうすぐ84歳。
現在もネヴァーエンディング・ツアー続行中というから、恐れ入ります。
今年のライブ開始は3/25からで米国をくまなく回るようです(→Official Website:Tour)。

追記:10月に『The Bootleg Series Vol. 18: Through the Open Window 1956–1963』が出たので、そちらのハイライト盤に収録された楽曲も加えました。8CD版では全貌が聴けます。

2025年3月9日日曜日

Justin Sconza、すっと差し出します、くせメロ好きに。


昨年末に紹介した(→こちら)ワンマン宅録SSW、Justin Sconzaが今週また新作アルバムを出していたのでピックアップ。その名も『Standards』。
自分の中でスタンダード化している何年か前に書いた楽曲を集めたものらしく、
今回もかわいいメロが随所で聴けます。
メジャーマイナー問わず、ひねくれメロが好きだという人におすすめです。

2025年3月6日木曜日

The Davenports、抱き合おう、知り合いのように。


Fountains Of Wayneのクリスのソロ・プロジェクトLook Parkにも帯同していたスコット・クラスのバンド、The Davenports。
今年出た7年振りの5th新作『You Could've Just Said That』からの新MV。
昔はパワー・ポップ傾向が強かったけど、今はすっかりアコースティック・ポップに。
自宅でほぼワンマンでじっくり作ったらしい。
ジュールス・シアーにも通じる素晴らしいソングライティングが楽しめます。
今は過去作品も手軽にサブスクで聴けるので、オススメしておきましょう。

過去の記事→こちら
The Davenports Official Site→こちら

2025年3月5日水曜日

Jeremy Bradley Earl、ソロ宣言をする。


NYブルックリンのインディー・フォーク・バンドWoodsの一員、ジェレミー・アールがソロEP作品を出すそう。
Kevin MorbyやJohn Andrewsら巣立っていった仲間同様、
流石センスいいサウンドを出してくれてます。
甘くファジーなメロディーが時間軸を狂わすような淡いノイズに包まれて、
確信的に揺らいでおります。

Bandcamp:Jeremy Bradley Earl→こちら

2025年2月28日金曜日

Sharp Pins、キャッチー・ローファイの新星。


マタドールからLifeguardというトリオ・バンドでリリースもしている米シカゴのカイ・スレイター君のソロ・ローファイ・ポップ・プロジェクト。
昨年リリースされた2nd『Radio DDR』に3曲を加えたデラックス盤が、
来月Kレコーズより再リリースとのこと。
上記MVはその3曲のうちのひとつ。
Lifeguardの方は比較的ハードコアな指向性があり、
こちらはソフト且つガチャガチャうるさいポップ系。
老舗レーベルがほっとけないピュアな感性を聞き逃しなく。

Bandcamp:Sharp Pins→こちら

2025年2月25日火曜日

Roberta Flackさん亡くなる。


本日も追悼。
上記曲が本当に好きで、一時期何度も聴いていた。
ジミー・ウェッブ作曲で、ダニー・ハサウェイのアレンジ。
切実なる歌唱。本当に素晴らしいな。
安らかに。

2025年2月22日土曜日

Matt Pond PA、健在です。


数年前コロナの影響下でThe Natural Linesという新バンドを立ち上げてましたが、
今はもうMATT POND PAの看板に戻っていて、今月久しぶりのフル・アルバム新作をリリース。
そのアルバム・タイトルがいかにも含みがありそうな『The Ballad of the Natural Lines』。
本人曰く、これらの活動は地続きらしいですが、昨年は女性シンガーといくつかコラボ楽曲を突然発表したりと、かなり移り気で自由気儘です。意欲的とも言えます。
昔のようなメランコリックなメロディーは少なくなってきているけど、
新作充実してますよ。

Bandcamp:Matt Pond PA→こちら

2025年2月20日木曜日

Muireann Bradley、伝統に新風を吹き込んで。


アイルランドの10代少女による米国戦前ブルース・カヴァー。
オリジナルはメンフィス・ミニー(ミニーさんはギターのみで歌ってない)。
レッド・ツェッペリンの大胆カヴァーでも有名。
今月末に2023年にリリースされたデビュー作(15歳の時に録音)が、
追加曲を含めて再リリースとのこと。
戦前ブルースの鬱屈した要素がきれいさっぱり消え、
むしろ爽やかなフォークになっているのが正直でいい感じだ。
そして、ギターめちゃくちゃうまい。
3曲目「Police Dog Blues」(→YouTube、名手ブラインド・ブレイク楽曲)のパキパキしたオブリガートの鳴りのいいこと。
前に紹介したノラ・ブラウン(→過去の記事)の時も思ったが、
10代の女の子は(親の影響だろうが何だろうが)我が道を得たら、
こつこつひたすら練習するんだろうなぁ。

詳しくは→UNIVERSAL MUSIC JAPAN