2022年6月28日火曜日

Julian Lage、ブリージーですな。


まだ6月なのに暑くてたまらない。
そういう時は何にも考えず、こういう音に浸っていたい。
米国LAの天才ジャズ・ギタリスト、ブルーノート第2弾アルバムより。
WILCOのネルス・クラインとも意欲的なデュオ作を出していた人だが、
ジャズの堅苦しさを微塵も感じさせないのが素敵。
そこはかとないアメリカーナな風情も心地好い。
ふにゃあってなります。

2022年6月26日日曜日

Quality Used Cars、オルタナ・フォークの真髄。


最初の歌い出し…というか独白からぐっときた1曲。
時々声が裏返るのも最高だが、途中からレナード・コーエンみたいに女性コーラスが入ってきて、ストーリーテリングにドキュメント以上の高揚感が表出してくる。
豪州メルボルン発、フランシス・テイトを中心とする男女5人組。
どこを目指しているのかは分からないが、だらけていてぐだぐだで大好きです。
去年出ている1st『Good Days/Bad Days』も今回初めて聴いたが、
ふにゃふにゃで素晴らしかった。

2022年6月25日土曜日

Cheekface、屈折してるけど日当たり良好。


ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツの2nd『リンカーン』収録の名曲「Ana Ng」をカヴァーするという素敵なセンスを持っている米国LAの男女トリオ・バンドの新曲。
曲目は「募金活動」で、すっとぼけたビートと相俟って、なかなかに愉快さを呈してくれている。
ちゃんとテレヴィジョンやトーキング・ヘッズといったUSパンク所縁の素性も感じさせつつ、
西海岸らしいからっとした明るさがあるのがいいな。
今までは小粒な印象もあったが、ここらで弾けた傑作アルバムが登場してくるかも。

2022年6月24日金曜日

Jockstrap 、傑作デビュー・アルバムの予感。


ブラック・カントリー・ニュー・ロードのヴァイオリニスト、ジョージア・エラリーによるデュオ・プロジェクトのデビュー作が9月に出るらしく、早速先行曲を聴かせてもらったが、これまた規格外の才能っぷりが噴出していて、すごいなと感心してしまった。
クラシックの素養に、メロディーの触覚の感度が絡まっていき(J・ミッチェル、E・ジョンにインスピレーションされたらしいが、僕はS・ゲンスブールに似た匂いを感じた)エレクトロ成分が大胆に効果を上げていく構造。
BCNRの方はアイザック・ウッドが脱退してしまって残念だったが、
まだまだこの界隈からはワクワクさせてくれる音楽が出てきそうだ。

国内盤はボーナス・トラック付き→Disk Union

2022年6月23日木曜日

Affiliate Links、穏やかな攻撃性。


アフィリエイト・リンクスという人を喰った名前が先ずいいな。
カナダのトロントを拠点とするブラッドリー・デイヴィスのソロ・プロジェクト。
以前はFresh Snowというポストロック・バンドでギターを担当していたようで、
もう若くはないようだが、心機一転のソロがこういうアコースティック・ポップだとは。
往年のネオアコ好きをノックアウトしてくれますな。
9月にフルアルバムを予定しているそう。

2022年6月22日水曜日

Henry McIntyre、もっさりしてますが。


つなぎに長髪、歩き方も実にもっさりしてます、米国ボストンのSSW。
リタ・フォードの80'sスマッシュ・ヒット曲(→こちら)にメロディーがバッティングしている気もしますが、偶然でしょう。普通にいい曲です。
前のシングル「Starting Over」(→こちら)も衒いのない作風で好印象。
今後も垢抜けない方向でお願いします。

2022年6月21日火曜日

Pete Yornの新曲。


人気のインディー・ポップDay Wave(→YouTube)のジャクソン・フィリップスとがっつり組んで制作されている新作『Hawaii』より。
パンデミックの影響下で書かれた楽曲が多いようで、
ハワイというタイトル・ワードは自由で開かれたイメージを象徴するもので、
最終的にそういう地点に到達したい、というニュアンスらしい。
PVを観るかぎりきな臭くて、ハワイにはとても遠いみたいだけど。
最後のリフレインは力強く響いてくる。

2022年6月16日木曜日

Rise Againstの新曲PVが良い。


メロコア系の人気バンド、Rise Againstの新曲が傑出したPVの出来も含めて、
素晴らしい。
昨年に新作アルバムをリリースしているようだが、
今年春以降の世界情勢を受け、どうしても出したかった新曲という位置付けだろうか。
アメリカ的なマッチョさに全ては賛成できないが、
自身を鼓舞する思いがしっかり音楽に投影されているのはぐっと来ますね。

2022年6月15日水曜日

Skyway ManとAndy Jenkinsが組んだ。


以前にも取り上げたことがあるSkyway Man(→こちら)が、
Andy JenkinsとコラボしたEPを出すらしく、そこからの1曲。
アンディさんはマシュー・E・ホワイトと繋がりが深いし、
こちらの録音もしっかりSpacebomb Studiosということで、
まぁ、その界隈の良質なヴィンテージ・サウンドになってます。
楽曲も往年のG・ハリスンを思い起こさせるようなメロディーで、素敵。
マシューさんの新作にはがっかりした僕ですが、
やっぱり彼の周りのサークルからは目が離せません。

2022年6月12日日曜日

Michael Rault、ビートリッシュは不滅です。


アンディ・シャウフ以降のデリケート・ポップですな。
カナダのモントリオール発、現在は米国LAを拠点とする現在30歳のSSWの、
堂々と自身の名前を冠した2ndアルバムより。
今週リリースされたので、気に入りそうな人はサブスクでどうぞ。
地味っちゃ地味だけど、いい趣味してるのでニヤニヤ楽しめます。

2022年6月4日土曜日

Yotam Ben Horin、偏見がないか試される。


イスラエルの哀愁系パンク・バンドUseless IDの中心人物の最新ソロ『Young Forever』の冒頭曲。
これが極上メロディーを湛えた弾き語り。
このPVの作り、見た目で出てくる楽曲じゃないよなぁ。
美メロ好きな人は偏見なしに聴いてほしい。
ちなみにパンク好きからは日和ったと見られ、無視されている模様。
既にリリース済みなので、サブスクで検索してみよう。
アルバム・タイトル曲も苦み走った青春ギター・ポップで気に入ってます。

2022年6月3日金曜日

Tim Bernardes、生まれて生きて死ぬ。


ブラジル・サンパウロ発、オ・テルノのメンバーでもあるSSWチン・ベルナンデス。
1stソロは2017年発売ですごく評判だったが、オ・テルノの2019年作を挟み、
今月に2ndソロ『MIL COISAS INVISIVEIS』が今月出るらしく、上記がその冒頭曲。
ソウルフルな裏声コーラスがたまりません。
今作も完成までほぼ独りで作っているようで、才気をまったりと爆発させていそう。
カエターノがよく引き合いに出される人だが、確かにこのロマンチシズムは後継者っぽいです。
芳醇な音の鳴り、こだわりにも通ずるものがある。

オ・テルノに関しては沢田太陽さんのMainstreamの記事へ→こちら

2022年6月2日木曜日

Snow Ellet、ベッドルーム“EMO”ポップ。


ナードなルックスをしている米国シカゴの新人Snow Ellet。
たっぷりエモパンクからの影響を受けつつ、基本は打ち込みです。
デビュー・アルバムはまだ先みたい。
EPの楽曲がサブスクで聴けるが(キュアー「Boys Don't Cry」カヴァーも有り)、
どれもなよっとしていて、大袈裟に風呂敷を広げることもなく、好ましい。