2004年12月31日金曜日

LIVE:2003-2004

■2004/12/30(木)
<Koenji Standard ~走りだせ中央線~>
高円寺ShowBoat
出演:徳永 憲、サンダルバッヂ、林 邦洋、ボンゾズ、Emmi
ShowBoatの年末イベント。久し振りに新曲を披露。
実際書いたのは数年前なんだけど、便宜上新曲なのである。

SET LIST

1.プリントドレス
2.ガールズ・フェスティバル
3.陽気なバラ
4.宙イング・サヨナラ
5.コートを召しませ
6.パーソナル・ノー
7.雨が降り続いた
8.不良少女



■2004/12/13(月)
<徳永 憲 「サイレンサー」 レコード発売記念ライブ>
下北沢440
出演:徳永 憲、エレキベース、クリームチーズ・オブ・サン、サカノボルト
オープニング・ゲスト:田所せいじ
1~4はアコギ弾き語り。5~10はバンド形式(ベース吉川真吾fromネタンダーズ、CHELSEABORO、ドラム篠原健彦from The Strikers )。残りの曲はエレキベースとの共演。対バンの内容も皆すごく充実してたし、いいイベントだったんじゃないだろうか。 最後の最後でのジャンプ転倒、数年振りにまたやってしまいました。

SET LIST

1.氷の中の女
2.ガールズ・フェスティバル
3.いつもいつも
4.不良少女
5.ハイウェイの貴公子
6.なんだか迷惑だ
7.オカエリ・ファンファーレ
8.マテリアル・イシュー
9.眠りこんだ冬
10.アイヴィー

・サマーソーダ(エレキベースの楽曲、徳永作詞)
・オートマチック・ラブラブマシーン
・優しいマペット
・ネムノキ君



■2004/11/22(月)
<HIGH BRIDGE meets mona records モナブリ vol.2>
下北沢mona records
出演:徳永 憲、佐藤良成(humbert humbert)
佐藤良成さんとセッションしたりなんかして、楽しく過ぎた夜でした。

SET LIST

1.氷の中の女
2.アイヴィー
3.日曜大工
4.ガールズ・フェスティバル
5.コーラの秘密 (with 佐藤良成violin)
6.ドルフィンズ (with 佐藤良成violin、フレッド・ニールのカヴァー)
7.気にしないで
8.今夜も暴走族の音
9.不良少女



■2004/11/19(金)
<mogran'BAR>
京都NANO
出演:徳永 憲、オカネモンプピー
翌20日(土)には京都大学の西部講堂前焼け跡で行われた 「中山酒店」 というイベントにも出演。

SET LIST(2004/11/19)

1.ビルの屋上
2.魂を救うだろう
3.ファーストフード(火曜日にはもう飽きた)
4.日曜大工
5.ガールズ・フェスティバル
6.マテリアル・イシュー
7.今夜も暴走族の音
8.メロー・イエロー
(with オカネモンスター、ドノヴァンのカヴァー)

 SET LIST(2004/11/20)

1.誰かのブルース
2.ビルの屋上
3.魂を救うだろう
4.ガールズ・フェスティバル



■2004/10/19(火)
<PLUG OUT MOSAiC 4th.scene>
下北沢Mosaic
出演:徳永 憲、岩見十夢、大久保理、神田征二朗、博成
全編アコギでの弾き語り。岩見くんと楽屋トークが弾んだ。

SET LIST
1.わんわん吠えている
2.魂を救うだろう
3.日曜の朝
4.コーラの秘密
5.トンネル
6.ラッキー
7.ガールズ・フェスティバル
8.オレンジ
9.不良少女



■2004/10/1(金)
下北沢440
出演:徳永 憲、おおはた雄一、田所せいじ、永冨真梨、熊坂路得子
ワイキキのHPで映像が見れます。力抜いているようで、熱いのさ。



■2004/9/21(火)
<NORTH HOMESICK vol.3>
渋谷gabowl
出演:徳永 憲、チキサウンズ、塚本功
BGM:サカモト ヨウイチ(エレキベース)
徳永主催イベントの第3弾。

SET LIST
1.魂を救うだろう
2.ファーストフード(火曜日にはもう飽きた)
3.プリントドレス
4.ガールズ・フェスティバル
5.陽気なバラ
6.ダイヤに人を見る目はない
7.不良少女
8.マテリアル・イシュー
9.今夜君に会えるといい



■2004/8/29(日)
<waikiki sweets>
宇田川スウィーツ
出演:徳永 憲、オカネモンスター、田所せいじ
雨。素敵な場所でした。久し振りに 「コーラの秘密」 やった。



■2004/8/18(水)
新宿LOFT bar hall
<セツナブル-スタ-企画 ~BANG!BANG!BANG!~>
「フレンド(オア・ダイ)」をやった。



■2004/4/18(日)
高円寺ShowBoat
<MATERIAL ISSUE vol.1>
出演:CHELSEABORO、Ghost Sleep、MODERN GOTHICS、西広しょうた、LOCO BROWNIE
デザイン事務所をやっている加藤君らが企画したイベント。
CHELSEABORO演奏後、ソロでイベント・タイトルになった 「マテリアル・イシュー」 1曲を演奏する。



■2004/4/16(金)
渋谷7thFLOOR
<HIGH BRIDGE presents ''SEVEN BRIDGE vol.18 ''>
出演:徳永 憲、長谷川都、epoch
久し振りのソロ・ライブ。「ガールズ・フェスティバル」 初披露。



■2003/10/31(金)
三軒茶屋GrapefruitMoon
<NORTH HOMESICK vol.1>
出演:徳永 憲、岩見十夢、キマタツトム
徳永主催イベントの第1弾。
基本的にお友達、知り合いを伝ってブッキングという軽いノリ。



■2003/8/15(金)
下北沢CLUB Que
<YANKEE'S ACOUSTIC HOLIDAY>
出演:徳永 憲、オカネモンスター、ヤングやくざ、その他DJ多数
オールナイト・イベントで弾き語り。

2004年11月3日水曜日

『サイレンサー』(2004)

いつかは作らないと、と思っていた弾き語り作品。
原点に帰り、殆どの曲をカセットの4トラックMTRで録音した。
当初はまたMuleに出してもらおうと思っていたのだが、条件が折り合わず、一時はリリースを諦めかけた。そんな時にワイキキのサカモト君が現れ「出しましょう」と言ってくれた。
別バンド、チェルシーボロの活動がそこそこ順調だったから、当時は深刻に考えていなかったけど、この時の申し出がなかったら、どうなっていたのだろうと今にして思う時がある。
本当にありがたい話だった。
またサカモト君は、ちゃんとしたエンジニアさんにミックスをお願いすることを薦めてくれた。
この判断も正しかった。粗いカセットの音が適度にブラッシュアップされ、締まった音像になった。
曲もコンパクトながら粒揃い。忘れた頃に聴いて、好きになってやって下さい。

1.盗聴キノコ
ギターのチューニングはCACFCD#。2002年作。
この時期は変則チューニングで妙なインストばかり作ってた。
シンガーソングライターとしては病んでいたかも。タイトルは「ほら、君ん家のキノコにも盗聴器が…」という意。それ以上の深い意味はない。

2.ダイヤに人を見る目はない
このアルバムの曲群は全てアコギと歌を同時に録っている。
言ってみりゃライブみたいなもの。この曲はヴォーカルが2本入ってるけど、
右のふらついている方がギターと同時に録った声である。
ギターのチューニングはCACFCD#。2002年作。

3.日曜大工
親と子の歌だが、子供ができたからといってそういう歌を作るというほど単純な話ではない。
このアルバムの中では一番古い1993年作。新しい曲群の中にこういう寝かした曲を混ぜることによって、アルバムに複雑な陰影が生まれるのが好きなのだ。
グロッケン、コーラスをオーヴァーダブ。

4.不良少女
ギターのチューニングはCACFCD#、そしてカポ。2002年作。
日本人はベタなウェットさが大好きで、いつの時代もそういうものが大衆の心を捉える。
それは重々承知なのだが、自分としてはそこに常に距離を置いていたい。
自分が恥ずかしいと感じることをやれるわけがないし、
そもそもそれを信じてやっている人に勝てるわけがないのだ。
でも、やっぱり僕も日本人なのでウェットなもの自体は嫌いじゃない。
その複雑な心境が表出している曲。歌詞そのものはバカげている。けど、ウェットなのだ。

5.しびれんぼう
2003年作。一人多重録音で、はじめてのアカペラに挑戦。
聴いての通りこれは4トラックじゃない。確かローランドのVSで録ったのかな。
しかし、それでもトラック数が足らなかった。
タイトルは映画「さびしんぼう」風に見せといて、実は卑猥なんじゃないかというギリギリのラインを狙っている。

6.クスクス
1999年作。山椒は小粒でピリリと辛い、という役回りな曲。
いつかこういう短い曲を30曲ぐらい入れたアルバムを作りたい。
それにしても「ハンガー状に男を吊るす」ってメチャクチャな日本語だな。
なんとなく言いたいことは分かるけど。

7.アノラッキー・ボーイ
2002年作のインスト。ギターのチューニングはGオープン。
昔「アノラック」と称された音楽があって、僕も好きだったんだけど、
社会的にはアンラッキーな奴に見えるんだろうな…という意のタイトル。
曲調はまったくアノラックしてないが、フードを被ったアンラッキーなボーイっぽくはある。

8.いつもいつも
ギターのチューニングはCACFCD#、そしてカポ。2002年作。
後半曲のムードが変わる。質素な4つ打ちで、フォークトロニカ的かもしれない。
このアルバムは僕にしては珍しくあまりストック曲を蔵出ししていない。
自分の中では一回リセットする感覚で作っていた。
次作『スワン』以降、またストック曲は出していくんだけどね。

9.ガールズ・フェスティバル
2004年作。アルバム制作終盤に足りない何かを補おうと思って急遽書いた曲。
結局これがリード・トラックになった。
Aメロとサビが同じコード進行なのがミソ。自分的には覚え易い。
PVは渋谷gabowlでのライブ当日にでいきなり撮ることになった。
アルバム音源は用意されてないし、あまりに無計画だったので、
(折角8ミリフィルムを使っているのに)しばらくボツという憂き目にあっていた。

10.氷の中の女
僕の音源の中でリヴァーブがこんだけかかっている曲も珍しい。
元々はチェルシーボロの為に書いたのだが、弾き語り以外にどうすることも出来なかったので、ソロ用とした。2001年作。EADEAEチューニングで2カポ。
歌詞でいつも気を遣っているのが、描写以外の部分で何が歌い手、聴き手に残っていくか、だ。
この曲の場合、死んだ女なんてどうでもいい事。
それと向き合ってる対象に刻まれ残されるであろう「何か」が重要。

11.今夜も暴走族の音
2002年作。俳句のような曲である。田舎で「暴走族」と言えば夏の季語なのだ。
これも「不良少女」と同じ路線かな。バカげているけど、ウェット。ただベタではない。
同郷の友人がこれを聴いて「あかん。たまらんわ~」と言っていて嬉しかった。
イントロでは暴走族のサイレンを模してみた。可愛いグロッケンの音だから全然迫力がない。

12.ネムノキ君
2001年作。最後の最後にものすごくヘタレな感じでバンド風バッキングがつく。
予測し得なかったことだが、この曲を書いた数年後、仲の良かった友達が亡くなってしまって、
それ以降この曲を歌う度にその友達のことを思い出してしまうようになった。
悲しくなるので、あまり歌いたくないのだが、時々は歌わねばならぬ。そういう曲。


ジャケットはここからしばらく友人である加藤くん(fromディレクションズ)に頼むことに。
顔ジャケは彼のアイディア。なんか僕のようで僕でないような、不思議な写真です。
この録音期に録音したけど、収録しなかった曲は「そっと必死にくいとめてらぁ」「焦燥感」
「宙イング・サヨナラ」「死に損なう君よ」「ハッピーバースデイ」「思いつめちゃいけない」。
行き場を見つけた曲もあれば、完全に葬られた曲もあり。復活する曲もあるやもしれない。



BGM:

2004年6月15日火曜日

虚脱のフェスタ

いつだったか、チェルシーボロの名物ギタリスト、おじいさんと二人でデザイン・フェスタin東京ビッグ・サイトを見に行ったことがあった。
グロッケンとタンバリンを肩の力を抜きながら担当している奥田さんがシルバー・アクセサリーやら皮細工などを出品するというので、もし売れてなくて落ち込んでたら可哀相なので冷やかしに行ったのだ。
そんな買うつもりゼロ、の姿勢は最初からダラダラだった。
電車の乗り継ぎ1時間強という行程は妙に変なテンションになり、
僕らは下らないB級スラッシュ・メタル・バンドの名前を次々に挙げたりして、
さながら小学校の遠足のような持て余し感で、会場へと向かっていたのであった。
だが、そんなことをしているうちに、今日という日をもっと大切にしなきゃいかんな、
と二人とも考えるようになった。
つまり、奥田さんを元気づけに行くだけじゃつまらない。
折角だからデザイン・フェスタ自体にもっと積極的に首をつっこんでみよう、と。
・・・まぁ、簡単に言っちゃうと、絶対に生息していると思われるビザールな人達をディスカバーしようぜ、と話し合ったわけだ。

そんなわけで入場。
なんだか東京ビッグ・サイトはやたらと広く、ブースもめちゃくちゃ一杯あった。
しかし、そんな広さであっても普段ではお目にかかれないような変な人達はすぐに発見することができた。サスガだ。
コスプレした人や、顔にペイントした人、体じゅうトイレット・ペーパーに巻かれた人、大真面目に稚拙なパフォーマンスをする人、出店しているくせに“近づくな”オーラを全開にしてる人などなど。
そんな中、おじいさんと僕は、ある一角に目をうばわれた。
スゴイ逸材がいたのだ。
いわゆる普通のオジサンなのだが、頭に中途半端なお面をかぶっている。
そして、何故かめちゃくちゃ疲れているのだ。壁に手をかけ、ため息をついている。
そこはグループでフィギュア系の出品をしているらしく、他にもメンバーがいるんだけど、
そのオジサンだけがその見事に疲弊した状態で、あらゆる意味でそこから孤立していた。
誰が見てもそのグループの中心人物ではなく、しょーがないから仲間に入れてもらってる風采で、一人だけ離れた場所でボーッと宙を眺めていた。
そして(何度も書くが)、それなのに一人だけ手作りのお面をかぶっているのだ。
その天然な脱力加減に僕らはノックアウトされた。
そのオジサンの素性を知りたいとか、へぼいお面の謎を解きたい、とかいうことは一切ないのだが、確かに魅了された。
その存在でそのブース一角を自分色に染め上げていたことに感心した。
というか、笑いが込み上げた。

時計はグルグルと回り、帰る頃になっても、そのオジサンが残してくれた脱力の残骸は、
僕とおじいさんを一種の爽やかさで包み込んだ。
そんなわけで、帰りはゆりかもめではなく、水上ボートに乗り、東京湾の景色をゆったり眺めて帰ろうという気になった。
潮の匂いはとても心地良かった。
奥田さんの出店であるが、そちらは上々の売上だったらしく、
僕らの元気づけはあまり必要なかったようであった。
彼女のシルバーの指環や皮のブレスレットは、なかなか人気があるらしい。



※旧ホームページより転載