2025年10月1日水曜日

『眠りこんだ冬』今月で25周年。


ま、とりたてて何もないですが。四半世紀。
まだ覚えている人は、ひっそりと愛でてやってくださいませ。
『眠りこんだ冬』備忘録→こちら


雨が降り続いた / 徳永憲

雨が降り続いた
二日ほど部屋から出ていないけど音でわかるんだ
そう 今降り出した音とは明らかに違う音さ

彼女は里帰り
「ちっとも楽しくなんかないわ」と電話では言っていた
でも 今の僕より この雨にイラついてる筈さ

リンゴン リンゴン これから涼しくなるみたいだね
リンゴン リンゴン リンゴン あたたかいコーヒーを淹れよう
リンゴン リンゴン 雑誌の並びをかえていたんだよ
リンゴン リンゴン リンゴン 意味ないシャワーも浴びたんだ

しかし、タオルケット
いつも君は僕に優しいね
清潔でセクシーだ
そう この前彼女も君のことを褒めていたんだよね

リンゴン リンゴン これから涼しくなるみたいだね
リンゴン リンゴン リンゴン あたたかいコーヒーを淹れよう
リンゴン リンゴン 雑誌の並びをかえていたんだよ
リンゴン リンゴン リンゴン 意味ないシャワーも浴びたんだ

僕は気分に罪を着せやしない
雨が進んで罪をかぶるから
忘れるように細胞ができてる
時が進んで罪をかぶるから
雨が進んで罪をかぶるから

雨が降り続いた 全てを包みこむ雨だった
正確で あてどもなく
そう 今はこの世でひとりぼっちになれたのかもしれない