2013年1月15日火曜日
ジム・ジェイムスのソロ作。
前々回、前回と売れてる新人グループを紹介して、リヴァーブの音像云々と書いたのだが、
よくよく思い出してみると、90年代はどっちか言うとリヴァーブなんてダサいという風潮だった。
ブリット・ポップならいざ知らず、特にアメリカではそういう傾向が顕著だった。
しかし、どこかで風向きが変わったのだ。
変わったからこそ、昨今のリヴァーブ隆盛があるのであるが、その分岐点がどこだったかというと、
僕はマイ・モーニング・ジャケットの出世作『At Dawn』(2001)だと思う。
これを初めて聴いた時はショッキングだった。
「ええ?これで本当にOKなの?」と思った。
ストロークスが最新だと思っていた僕の耳には、そのリヴァーブはやり過ぎに聞こえたのだ。
でも、今聴き返すと、全然OKだ。
普通に聴ける。
これが俗に言う 「時代が追いついた」 だ。
アルバム・タイトルが 『夜明け』 だったなんて、出来過ぎているではないか。
マイ・モーニング・ジャケットはその後、本格的にブレイクすることになるが、
彼らは本当に時代を先取りした、自分なりの感覚を信じた、凄いバンドだったのである。
因みに彼らのリヴァーブは、農場のサイロを利用した天然リヴァーブだった。
その精神はちゃんと今のバンドの姿勢にも受け継がれている、と思う。
乱暴に言うと、9・11以降の現実を生きる若者にとっての、
安らぎの桃源郷を求める気持ちを受け止めるリヴァーブだ。
(米国シェール・オイル景気が程近い今、まもなく過去のものとなるだろうが)
そんなマイ・モーニング・ジャケットの中心人物、ジム・ジェイムスが今度ソロを出すそうだ。
上記PVはそこからの先行公開曲。
途中からダンス・ミュージックっぽいアレンジが出てきて、
「ええ?これで本当にOKなの?」と思う。
アウトロも色んな要素がゴタ混ぜで、摩訶不思議。
だけど、前述のようにこの人は自分を信じて音を出す人なのだ。
これでいいのだろう。
アルバム・タイトルを適当に訳すと『神の光とサウンドの領域』。
大きく出たな。