事故に遭った瞬間、目で見た映像がスローモーションみたいだったという話をよく聞くが、今日僕の目の前で起きた自転車同士の衝突事故は、
当事者でない僕の目から見てもスローモーションに見えた。
真っ直ぐ走っていたお兄さんの自転車に、
横からいきなり飛び出して来たオジサンの自転車がぶつかった。
まぁ、大した事故ではない。
両者共ぶつかる寸前にブレーキをかけたので、
衝撃もそんなに強くはなかった。
が、バランスを取れなくなった二人はふらふら、よれよれと殆ど絡み合うように地面に崩れていった。
その倒れるスピードがとても遅かった。
こけるのか?こけないのか?やっぱこけるんかい!みたいな。
押し引きの力のバランスが拮抗していたのだろう、
わさわさと一生懸命体全部で抵抗しながらも二人はスローモーションでこけていったのである。
多分彼ら当事者は、それをさらにスローモーションな世界で見ていた筈である。
不思議なくらいドリーミーだったろう。
色んな事を考えただろう。
色んな葛藤があっただろう。
二人の目が合ってたりして。
想像すると結構楽しい。
ニコルソン・ベイカーならそれだけで小説書いちゃうだろうか。
BGM:The Black Album / Jay-Z