2017年12月31日日曜日

7.コックピットで怪気炎

僕の中の“ジミー・ペイジへの敬愛”が放出された、DGDGBDのアコギ・リフが連なるインスト。2015年作。曲展開は頭の中で作る。何度も脳内シミュレーションを経た上で、最終的にサンプラーとプロツールズで編集していく。タイトルはアイディアを書き留めているメモ・ファイルより引っ張り出した。深い詮索は無用です。特に意味はなくとも妙に曲調と馴染んでくる場合があって、その不思議をいつも楽しんでいる。

2017年12月26日火曜日

6.紳士協定

メロも歌詞も2000年作。ずっとお蔵入りになっていた曲だが、数年前に「電気ショックで記憶を改変」みたいな実際のニュースを読んだ時に思い出し、面白がって今作で引っ張り出すことに。打ち込みのメリハリのあるリズムにも合ってくれたし、他の曲と補完共鳴する要素もあったので、掘り出して良かった。間奏部のシンセはアルペジエーターで遊んで作った。ベースの吉川君はこういう曲で本領を発揮します。

2017年12月21日木曜日

5.雪の結晶

メロディー自体は10年前にはあったけど、ちゃんと歌詞をのせたのは2015年。なんとなくだけど、東京では書けなかった歌詞。アコギはレギュラー・チューニング。普通は使わないようなコードを幾つか挟んでいる。メロトロンのサンプル音源を使い倒した今作、こういう白玉アレンジは元々すごく好きなので、やりがいがあった。ただし、心がけたのはシンプル・イズ・ベスト。やり過ぎないように。ビデオクリップは滋賀北部で積雪後に撮影。極寒だったのでリップシンクをささっと撮って退散、という適当な感じになってしまいました。ちなみに今回のアルバム・ジャケットはこのビデオ撮影の際に記録のために1枚だけ撮っていた写真を使った。クレジットは入れてないけど、その他ブックレットの写真はすべて徳永撮影です。カメラはα99と35mmの単焦点、そしてi-Phone6。

2017年12月19日火曜日

4.アイコンがいっぱい

今作は全曲打ち込みでリズムを作ったが、多くの曲でハイハットを抜いた。この曲もそうで、ズバリそこが聴き所。完全おまかせで弾いてもらった吉川君のベースともども、そのギリギリのタメを楽しんでもらえれば。ホーン類はほぼ自分の過去の音源から抜き出したサンプリング。音階もつけられるので、パズルのように組み立てた。そういやライターの土佐さんから「このアルバムは歌詞の繰り返しが多い」と指摘されたが、確かにそうで、意識はしてなかったが、多分打ち込みの反復と関係してるんだろうな。2013年作。

追記:
2017/12/20発売のミュージックマガジンにインタビュー載ります。

2017年12月16日土曜日

3.クロスカウンターズ

元々はチェルシーボロ用に書いた蔵出し曲で2001年作。その当時デモまで作ってメンバーに聴いてもらっていた。全然新曲じゃないっすね。アコギは2弦を1音下げてのEADGADで2capo。この歌詞でなんでこのタイトルなのか、今となってはもう思い出せません。でも、曲のフォルムと不思議と合致しているのでこのままに。全てを論理的に固めなくてもいいじゃないか、と思ってます。アコギがすごく良い音で録れたので、リード楽器はアコギ、と断言できる曲になってるな。

2017年12月14日木曜日

2.夢から醒めてこぶしを見る

2015年作。アコギはDADF#ADで1capo。これも昔のスケッチ録音から見つけ出され、自分内で換骨奪胎させた曲。調子のいい日はこういうスケッチをたくさん残しておくのが、自分の中では吉としている。1曲だけに掛かりきりになっていたら、その時間が逃げていってしまうので勿体無い。調子に乗ってあれこれと紡いでいたら、後で狙っても絶対に書けないようなフレーズが出てきたりしているので面白い。そして、こういうタイプの曲は、数ヶ月後、数年後にじわじわ力を出す。みなさまお楽しみに。演奏は完全にワンマン。間奏の変テコな音はギターで出してます。後奏部分は偶発的にできた変拍子。

2017年12月12日火曜日

1.理論値ブルース

発売から1週間。
友人から「全曲解説はいつやるの?」と言われたので今回もやってみることにします。
恒例になってしまったな。
期待している人が他にいるのか不安だが、いつも通り補足情報をメインに書いていこう。
今から少しずつ書くので遅筆になるかも。

1.理論値ブルース
2015年作。アコギのチューニングはDADGAE。数年前に録音して忘れていたギターリフを蘇生させ発展させた曲。演奏はこのニュアンスを出すのが激ムズ。普通のプロでも僕のようにうまく弾けないだろう(ただし僕は普通のプロのようには弾けない)。バックはAKAIのMPCとプロツールズの編集によるもの。ウッドベースをお願いしている砂山さんは旧スザクの人脈で紹介してもらった。耳とセンスが良いという評判通りで、3Take送ってもらってバッチリOKでした。

2017年12月5日火曜日

本日発売!


本日、ニュー・アルバム『信じるに値しない男』のフィジカル・リリース日です。
みなさま、お待たせしました。
やっとここまで辿り着けました。
毎回長い道のりだが、今回も長かった。

今回のはここ数作続いていたバンド録音とは違うベッドルーム作品。
特設ページの長文にも書いたけど、
ミックスまでやっているので「個」がよく出たアルバムになってると思います。
現在のトレンドから距離を取りつつ、というか他の誰からも距離を置いたこの感じ、
を肌で感じてもらえればいいかな、と。
制作中に思ったのが、機材やプラグインは金さえかければ誰でも導入できる。
でも、そこに依存するとみんな似た音になっていく。
個々の才能をそういったものでコーティングするのは勿体無いのではないか、と。
発火点が一番大事。
そう思いながら録音&ミックスしてました。
気に入ってくれるかな。

ぜひ!

今月発売のミュージック・マガジンにレビュー&広告載ってます。
そして、次号には記事も載る予定です。



2017年12月2日土曜日

2017.12.1(金)at六本木VARIT<DECEMBER'S CHILDREN EXTRA>


出演:沖ちづる、徳永憲

2年9ヶ月ぶり。重い腰を上げての弾き語りライブ。
呼んでくれたのはMoving Onさんで、前回と同じく沖さんとご一緒に。
色々気にかけてもらってありがたいです。
20年近く経ってもデビュー時の人脈で物事がこうやって動いていることに感慨を抱く。
なつかしい人にも沢山出会えて楽しかったな。
お客さんも一通り埋まって良かった。
後で聞いたらCDが「マジか!?」と驚くほど売れてました。
みなさんありがとう。どこかで聴いてもらえてると思うと嬉しいです。
新作もじっくり聴いてやってください。

セットリスト、記しておきます。
12は新作からで初披露。アンコール2曲目は沖ちづるとのセッション。
自分の曲をデュエット形式で歌うのは初めてで、めちゃくちゃ貴重な体験だった。
アイディアを出してくれた沖さんに感謝したい。

SETLIST
1.アンサンブルー
2.お先に失礼
3.気にしないで
4.コートを召しませ
5.メタルが好きだ
6.君ははぐれている
7.肩車の思い出がまた肩車をつくる
8.悲しみの君臨
9.ただ可憐なもの
10.暖かなもの
11.魂を救うだろう
12.クロスカウンターズ
13.7(セブン)
アンコール
・本屋の少女に
・いつまでも生きていたい(with 沖ちづる)

追記:ライブレポート出ました→BARKS

2017年11月29日水曜日

本日、配信開始。

新作『信じるに値しない男』。
本日より配信始まりました。

配信:
iTunes
amazon music   http://amzn.to/2Bnvd7p
music.jp   http://music-book.jp/music/Artist/1134735/Album/aaa91h36
ドワンゴジェイピー   https://pc.dwango.jp/portals/album/2645200
mora   http://mora.jp/package/43000071/WAKRD064/
Google Play Music   http://bit.ly/2Ap7NSe


早く聴きたい、という方は是非体感してください!

信じるに値しない男(2017)



『信じるに値しない男』
WAKRD-064
JAN/POS:4582217970643
発売日:2017.11.29
(フィジカル・リリースは2017.12.5に延期)
価格:¥2,300(税抜き)/¥2,484(税込)
流通:BRIDGE

01. 理論値ブルース
02. 夢から醒めてこぶしを見る
03. クロスカウンターズ
04. アイコンがいっぱい
05. 雪の結晶
06. 紳士協定
07. コックピットで怪気炎 (instrumental)
08. ユーアーダンシンクイーン
09. 嵐が来たのさ
10. 信じるに値しない男 →YouTube(オフィシャルAudio)
11. 火がともる
12. やさしき人

配信:iTunes
amazon music   http://amzn.to/2Bnvd7p
music.jp   http://music-book.jp/music/Artist/1134735/Album/aaa91h36
ドワンゴジェイピー   https://pc.dwango.jp/portals/album/2645200
mora   http://mora.jp/package/43000071/WAKRD064/
Google Play Music   http://bit.ly/2Ap7NSe


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『信じるに値しない男』ができるまで by 徳永憲


「一人の男が今、うかつにも死んだ/あまりにもあっけなく/うかつな男
努力を重ねてきてうかつにも死んだ/悲しみは突然に/うかつな男」

2011年。僕は「うかつな男」という曲を書いた。
フォーク調の面白い曲で結構気に入っていたので、ライブで数回歌ったこともある。
そのうちアルバムにも収めようかなと思っていたのだが、
『ねじまき』(2013)をリリースした年の暮れ、父がうかつにも交通事故で亡くなってしまった。
あまりにも現実と直接的に繋がった曲になってしまったので、それ以来歌わなくなった。
しかし、これは僕の中で自分の曲作りの間違いのなさを再確認した1曲として頭に残った。
こういった文章を書く時とは違い、僕は歌詞を書く時、題材や筋立てを一切持たずに始めている。
まず先に完成したメロディがあるので、前もってテーマを色々と考えるよりその方がうまくいく。いつしかこういうスタイルに落ち着いていた。
感覚的に言葉を手繰り寄せて、するするっと仕上がるのが一番の理想だ。
頭を悩ませていたら、それはもう終わっているサイン。創作としては別日に先送りした方が賢明という書き方だ。
「うかつな男」も書いた時のことは憶えていない。
ただその時、ぼんやりと直感だけで書いたんだろう。
それだからこそ、僕は真理に近づいていたのかもしれない。
父の事故の一報を受け、弟と二人で東名高速を一気に車で走った深夜、
僕の頭の中では「うかつな男」が鳴ったし、それは僕をぐさりとやってくれた。

20年以上東京で生活していたが、それが何となくもう終わりかもしれないという感覚が、翌年にやって来た。次作の『アンサンブルー』(2015)を制作していく中でのことだ。
シリアスな面もあった前作から変わって、ファニーでふざけた、実生活の自分に近い『アンサンブルー』は最初から自分の中で不安な要素がほぼ無い、安定感のある作品だった。
そして、東京での生活にもいつまでも続きそうな安定感があった。
が、故郷では父が亡くなり、故郷の故郷たる基盤が崩れ、その対比がどうにも僕をそわそわさせ出していた。
何となくの違和感に気づかぬ振りをして生きていくことは可能だったろうが、
結局僕はこの年、歌詞を書く感覚に従うのと同じように「もう終わりかもしれない」という感覚に従ってみることにした。
周りの皆には直々に事情を説明し、頭を下げた。
そういうわけで『アンサンブルー』リリースの1週間後。
僕は家族ともども故郷の滋賀へと引っ越したのであった。

人生に於いてソングライティングのピークがどこにあるのかと言えば、
20〜30代であろう。それは歴史が証明している。
映画作家は経験に基づいた勘、技術の蓄積、熟練の眼力の上に最高傑作を40代でものにすることはあろうが、ソングライティングには経験も技術もいらない。若き才能とドーパミンさえあれば傑出した曲を書くことができる。
僕はそれを20代の頃から考えていた。いつか自分にも曲が書けなくなるだろう。
そうなったらやめりゃいいのだが、まぁ困るかもしれないので、インスピレーションで降って沸いてきたものはちゃんと何でも録音しておこうと思って、その度々にテープに残していた。
引っ越した時、そういった昔のカセットが沢山出てきた。
地元に帰り、特にやりたいこともなく、無の状態だった僕はそれらを一先ず聴いてみることにした。新しい作品を作ろうという意識はなく、ただの興味本意で。
そして、それがとても貴重な体験になった。
忘れていた曲の断片やリフ、殴り書きのメロディーの数々。
未熟なものが散見されたものの、録音した当時の空気感が封じ込まれていたそれらを聴いて、僕の脳は一気に活性化したように感じた。
忘れていた感覚が甦ってくる体験は素晴らしいものだ。
同時に僕の頭の中では、あんなことがやりたい、これをやりたかったのを忘れていた、など、色んな思いが巡り始めた。
ギターをケースから取り出し、僕はゆるゆると取り組み始めた。
すると、それに釣られてまっさらな新曲も出てきた。過去の自分に釣られたはずなのに、今まで書いたことのない、新しい今現在の自分を反映した新曲が出てきた。
『信じるに値しない男』はそういった地点から生まれた。

安定を捨てるということは新たな不安を抱え込む。当然の話だ。
でも、それが新たな刺激を生むことになる。
僕は大半の機材を売っぱらって東京を出たので、今回前から欲しかった打ち込みサンプラーのMPCとメロトロン音源を手に入れた。
バンドのメンバーでリハする恒例の過程がずっぽり消えたせいで、音楽の重心があやふやになったが、そこにつけ込んで様々なビートをぶっこんでみた。
失敗作も量産したが、楽しんでやっていた。
そして、それにより明瞭になって来ることがあった。分かっていたことではあったが、結局の所、僕の場合は、音作りをいくら楽しんで実験したところで、大元の曲に自分が愛着を持てないとスタート地点に立てないということである。アコギと鼻歌から生まれるものがやはり原点であり、それを外れた楽曲はいくらクオリティーを高めても自分の中では満足せず、亜流に過ぎない、ということであった。
それを再確認してからは制作はずんずんと進んでいった。
心の声に耳を傾け楽曲を精査し、余計なエレメンツは消去していった。そして、今回はピュアな宅録の流儀に沿って、自分自身でミックスまでやってしまった。

2017年の春に京都のマザーシップ・スタジオでマスタリングを済ませ、アルバムの音は完成した。タイトルは『信じるに値しない男』に決まった。
ワイキキ・レコードのサカモト君と電話で話した時、彼がその曲を気に入っていると言ってくれたことが決め手だ。
でも、本当はもうひとつの理由がある。僕の中では日の目を見れなかった「うかつな男」のことが頭に残っていたのだ。簡単に言うと「信じるに値しない男」は「うかつな男」が源流となっている。書いた時はもちろん無意識だった。でも、この歌の歌詞は父の死後だからこそ出てきたもので、東京を離れた僕のことを大いに反映している。
そう解釈している。
「うかつな男」から端を発し、「信じるに値しない男」と相成った。
そのドラマをアルバム・タイトルとして残し、掲げることに、
僕はピンと来たのである。






<全曲解説>

1.理論値ブルース
2015年作。アコギのチューニングはDADGAE。数年前に録音して忘れていたギターリフを蘇生させ発展させた曲。演奏はこのニュアンスを出すのが激ムズ。普通のプロでも僕のようにうまく弾けないだろう(ただし僕は普通のプロのようには弾けない)。バックはAKAIのMPCとプロツールズの編集によるもの。ウッドベースをお願いしている砂山さんは旧スザクの人脈で紹介してもらった。耳とセンスが良いという評判通りで、3Take送ってもらってバッチリOKでした。

2.夢から醒めてこぶしを見る
2015年作。アコギはDADF#ADで1capo。これも昔のスケッチ録音から見つけ出され、自分内で換骨奪胎させた曲。調子のいい日はこういうスケッチをたくさん残しておくのが、自分の中では吉としている。1曲だけに掛かりきりになっていたら、その時間が逃げていってしまうので勿体無い。調子に乗ってあれこれと紡いでいたら、後で狙っても絶対に書けないようなフレーズが出てきたりしているので面白い。そして、こういうタイプの曲は、数ヶ月後、数年後にじわじわ力を出す。みなさまお楽しみに。演奏は完全にワンマン。間奏の変テコな音はギターで出してます。後奏部分は偶発的にできた変拍子。

3.クロスカウンターズ
元々はチェルシーボロ用に書いた蔵出し曲で2001年作。その当時デモまで作ってメンバーに聴いてもらっていた。全然新曲じゃないっすね。アコギは2弦を1音下げてのEADGADで2capo。この歌詞でなんでこのタイトルなのか、今となってはもう思い出せません。でも、曲のフォルムと不思議と合致しているのでこのままに。全てを論理的に固めなくてもいいじゃないか、と思ってます。アコギがすごく良い音で録れたので、リード楽器はアコギ、と断言できる曲になってるな。

4.アイコンがいっぱい
今作は全曲打ち込みでリズムを作ったが、多くの曲でハイハットを抜いた。この曲もそうで、ズバリそこが聴き所。完全おまかせで弾いてもらった吉川君のベースともども、そのギリギリのタメを楽しんでもらえれば。ホーン類はほぼ自分の過去の音源から抜き出したサンプリング。音階もつけられるので、パズルのように組み立てた。そういやライターの土佐さんから「このアルバムは歌詞の繰り返しが多い」と指摘されたが、確かにそうで、意識はしてなかったが、多分打ち込みの反復と関係してるんだろうな。2013年作。

5.雪の結晶
メロディー自体は10年前にはあったけど、ちゃんと歌詞をのせたのは2015年。なんとなくだけど、東京では書けなかった歌詞。アコギはレギュラー・チューニング。普通は使わないようなコードを幾つか挟んでいる。メロトロンのサンプル音源を使い倒した今作、こういう白玉アレンジは元々すごく好きなので、やりがいがあった。ただし、心がけたのはシンプル・イズ・ベスト。やり過ぎないように。ビデオクリップは滋賀北部で積雪後に撮影。極寒だったのでリップシンクをささっと撮って退散、という適当な感じになってしまいました。ちなみに今回のアルバム・ジャケットはこのビデオ撮影の際に記録のために1枚だけ撮っていた写真を使った。クレジットは入れてないけど、その他ブックレットの写真はすべて徳永撮影です。カメラはα99と35mmの単焦点、そしてi-Phone6。

6.紳士協定
メロも歌詞も2000年作。ずっとお蔵入りになっていた曲だが、数年前に「電気ショックで記憶を改変」みたいな実際のニュースを読んだ時に思い出し、面白がって今作で引っ張り出すことに。打ち込みのメリハリのあるリズムにも合ってくれたし、他の曲と補完共鳴する要素もあったので、掘り出して良かった。間奏部のシンセはアルペジエーターで遊んで作った。ベースの吉川君はこういう曲で本領を発揮します。

7.コックピットで怪気炎
僕の中の“ジミー・ペイジへの敬愛”が放出された、DGDGBDのアコギ・リフが連なるインスト。2015年作。曲展開は頭の中で作る。何度も脳内シミュレーションを経た上で、最終的にサンプラーとプロツールズで編集していく。タイトルはアイディアを書き留めているメモ・ファイルより引っ張り出した。深い詮索は無用です。特に意味はなくとも妙に曲調と馴染んでくる場合があって、その不思議をいつも楽しんでいる。

8.ユーアーダンシンクイーン
2015年作。DADF#ADで2capo。周りのミュージシャンにこの曲が好きという人が多いのは割りと納得。ぶっちゃけ体裁の整ったポップソングは誰にでも書ける。けど、こういうタイプの良曲は難しい。考えて書けるわけではない。あとでストーンズの「ファクトリー・ガール」に似てるなと思ったんだけど、それも含めて僕も気に入っている。歌詞は奔放。江戸時代にタイムワープした女が速攻斬られる。映画化は難しいだろう。

9.嵐が来たのさ
90年代に放置していた曲をカセットから見つけて、手直しして歌詞を乗っけたもの。過去の自分と共作した格好だ。2015年は真新しい新曲も書きつつ、こういう作業にもトライしていた。noteに未発表曲を公開しようかなと思ったのもこの頃だった(色々出てきたもんで)。歌詞は町で時々見かける狂った人からインスピレーションを受けている。都会だけでなく、田舎にもこういう人は多い。逆に目立つのか。病んだテーマだが、暗い方向に収斂せずちょっぴり華麗に仕上がったな。

11.火がともる
2015年作。アコギはお得意のEADEAE。「アイヴィー」「7(セブン)」「本屋の少女に」なんかで使っている。音作りとしては他の曲同様、サンプリングを多用。でも、それを目立たせないよう工夫している。理由は簡単。手法を聴かせたいわけじゃないから。とは言え、平坦過ぎるわけにもいかないので、その按配が難しい。この曲は出来た瞬間から大物感を漂わせていたので、後半はそのムードに流されてみようと思って、リズムはあえて平坦な繰り返しのみにしてみた。すると、自然な盛り上がりが起こった。それで正解だったということだろう。ギター・ソロはワーミーを使用。何をどう弾いたのか全く憶えていないので、二度と同じフレーズは弾けません。

12.やさしき人
2016年の初頭に作った、このアルバムの中で一番新しい曲。チューニングはCGCGCE。アルバムの最終構想の段階で没になった曲があったんだけど、その代わりを考えている頃に出来て、すぐに採用した。ピンポイントで狙ったわけじゃないが、アルバムの最後を全部引き受けてくれる楽曲がつるっと出来て本当に良かった。歌詞はぶっちゃけ、その頃に起こったデヴィッド・ボウイの死のインパクトが影響していると思う。そこから端を発して色んな思い出が顔を出した。やさしき人に僕もなれるといいが、それは最期を迎える時まで分からない。最期が勝負だと思っている。演奏に関しては砂山さんのウッドベースが効いている。最初と最後の音響派っぽいノイズは1996年のカセット音源より抜き出した。デビュー前にはこういう実験宅録をよくしていたもんだ。

2017年11月25日土曜日

フランスものの危険な香り



フランスのPain SurprisesというレーベルからのPV。
という情報しかないけど、アニメの色彩やタッチ、世界観に惹かれておすすめしたくなった。
制作は仏のMiyu Productions(→こちら)。他の作品も良かったです。

80年代のゲンスブールっぽい退廃がありつつ、同時に近未来っぽくもある。
血や涙がことごとく無機質で、淡々とした断定の行動が不安感を煽る。
根底にシャンソンがあるし、危険なダンディズムもあり、
フランスの伝統を感じさせてくれる。

2017年11月20日月曜日

すいませんが、報告です。

『信じるに値しない男』リリースが1週間延期になります。
一旦完成品は仕上がって来たのですが、ブックレットに不備が見つかり、
作り直すことにしました。
ワイキキ・レコードより
少し遅れてでも、こちらの意図したものをちゃんと届けることの方を優先させます。
何卒ご容赦を。12/5です。
ただ配信(iTunes等々)は予定通り11/29です。
どうしても早く聴きたいという方はそちらからどうぞ。

ということで、12/1ライブにも影響あるのですが、
元々新作からあまりやらないって公言していたので、何とか免じてください。
何とか僕を励ますつもりで観に来てやってください。
前回のエントリー後、早速予約メールもいただいています。
ありがとうございます。
タイトル・トラックのオーディオが公開されたので、
皆様聴いてくださいませ。

追記:12/1ライブ会場での新作先行発売、決まりました。

2017年11月16日木曜日

あと2週間で12/1(金)ライブです。

久々のライブがあと半月に迫ってきました。
迷っている人もいるかと思うので、このブログでの前売りチケット取り置きも始めます。
こちら
「公演日、お名前、枚数」が明記されていたらOKです。
ただし返信メールはありません。
僕を信じてください。
整理番号はないけど、キャンセルもOKです。

過去CDもいっぱい持って行きます。
持ってないタイトルがあったら買うチャンスです。
お楽しみに!

2017年11月15日水曜日

Andrew Savageのソロ作



ちょっと前のエントリーに名前を出したパーケイ・コーツのフロントマンがソロ作を出していた。
バンド本体の方は停滞しているのだろうか。
ケヴィン・エアーズのへたれ具合を思い出す脱力ポップ。
こういう音には昔から弱いです。無条件に好きモードが発動。
パーケイ・コーツのアート学生風パンクと対比的で、十分アリですね。

2017年11月14日火曜日

黄金の眠りが君の瞳を満たす



ミシェル・ゴンドリー監督のクリスマス商戦用CMです。
「らしさ」が充満した安定の素晴らしさです。
そして、音楽。エルボーがやはり好きだ。
このイギリス臭い声がたまりません。

2017年11月9日木曜日

新作 特設ページ作りました。

右上のタブに『信じるに値しない男』ページできました。
リリースにからめて、少しずつ加筆していきます。

今月末、いよいよリリースです。
久々のライブの一般発売は今週末。
みなさま、お楽しみに。

2017年11月3日金曜日

醜い男に釘付け。



CG世界のつるっとした空間の中で醜い男が走り回っている。
町中で見たら避けるしかないよな、こういう人。
常識人には制御できない動きをしている。微笑しているのが妙にリアルで怖い。

パーケイ・コーツをもう少しパンク寄りにしたようなオーストラリアのバンドのPV。
なかなかカッコイイです。

2017年10月29日日曜日

コートニー・バーネット×カート・ヴァイル


Courtney Barnett & Kurt Vile

最近コラボ作を出した二人のライブ。
これがとてもいい動画で、ずっと楽しく観れていられる。
なんだろうね。調子っぱずれなのに、絶妙にカッコ良い。
ドラマーがジャネット・ワイス(スリーター・キニー)ってのも大きいが、
ルーズでチューニングが甘くても、本髄をぎゅっと掴んでいる佇まい。
日本人には出せないこの自然体な「これでよし」感が、実に堂々としている。
アルバム同様ラストの「Untogether」がやっぱりいいな。

2017年10月25日水曜日

自分史上ダントツ1位の謎CD、あらわる。



CDやLPを買いだして30年以上になるが、先日、自分史上一番“奇妙”な体験をした。
Spotifyでペスカード・ラビオーゾの名盤『Artaud』を流していた時に、
耳慣れない感覚があったので、調べようと思って自分のCDと聴き比べたら、
確かにSpotifyと内容が違っていたのだ。
これはおかしい、と思いYouTubeでも検索して聴いてみたが、
どうやら僕の持っているCDの方が間違っているようだった。
なんと、僕は今まで中身の違うものを名盤だと思って聴いていたのだった!
(20年も。しかも、結構それを気に入っていた。)
具体的に書くと1〜5曲目まで違う音楽が収録されていて、
6曲目以降は正しく収録されている。
型番は「Microfon C-61」made in CANADAで、
バイトしていたヴァージン・メガストア池袋店で90年代中盤に買ったと記憶している。
当時アルゼンチンのロック情報など皆無だったので、僕はこのCDが間違った内容のものだと知る由もなかった。受け入れるしかなかった。
A面B面の音楽性の変化は不思議だと思っていたが、
そういう趣向なのかな、と良き方に解釈していた。
ちなみにこの作品、アルゼンチンのローリング・ストーン誌が選ぶ「名盤100選」の第1位だそうである。おいおい。
言いたいことが山程あるぞ。

というわけで、詳しい情報はないものかとGoogleで調べまくったが、何も出てこない。
輸入盤ならディスクが入ってない、違うディスクが入っていたということは時々ある。
でも、この場合は違う。ジャケ、盤面の印刷まで合っていて、肝心の音楽だけ半分入れ替わっていたのだ。25年前の製造だが、何か情報があるはず。
しかし、何も見つからない。多分レーベルは不具合が見つかった後、出回ったものを回収して、製造をやり直し、同じ型番で発売を続けたのだろう。
もうどうすればいいのか分からない。

実のところ、現時点で知りたいのは、1〜5曲目のアーティストとアルバム名なのだ。
この「謎」が発生してからはアルゼンチン・ロックをSpotifyやYouTubeで片っ端から聴いている。
謎の「1〜5曲目」と出会いたいからだ。
本家の『Artaud』の方はもう聴ける。
名前を知っていればインターネット時代、造作もないことだ。
ただ謎の「1〜5曲目」はCDに残っている音しかない。
ラジオでかかることもなけりゃ、大勢に知られてもいない、ましてや言葉が全然分からない。
そんなわけで、僕はこのところSpotifyで70年代のアルゼンチン・ロックばかり漁って聴いている日々を送っています。

↓ B面しか聴いてなかった僕が言うのも何ですが、アシッド・フォーク好きは絶対の名盤です。

追記:1〜5曲目、判明しました。Nito Mestreの『20/10』(1981)という作品。すっきり!

2017年10月23日月曜日

2次先行発売、来ました。

2017年12月1日(金)
「DECEMBER'S CHILDREN EXTRA」
六本木VARIT.
開場18:30/開演19:00
前売り3000円/当日3500円(1ドリンク別)
出演:徳永憲、沖ちづる

▼2次先行(先着順)
10/24(火)18:00〜11/5(日)23:59
http://eplus.jp/dc17extra/

ライブ、久しぶりだけあって準備を入念にやってます。
選曲は新作からの曲は少なめになりそうかな。
残念がる人もいるかもしれないけど、今回の作品はあんまりライブを念頭に置いて作ってなかったので自然とそういうことになりそう。
20年のキャリアからまんべんなく選曲します。
ぜひぜひ、みなさま、お越しを!

2017年10月17日火曜日

EMOに心焦がしたことがある人は必見



現在ロックがつまんない状況になり勢いがないことは至る所で書かれているので、
もう皆さんご存知だと思うが、局地的には “だからこその熱い現場” がある。
そのことがよく分かる10分動画。
「Emo Nite」という現在進行中のDJパーティー・ツアーのドキュメント動画で、
これがすっごくグッと来るのだ。
要するにエモのCDをかけてみんなで盛り上がるだけなんだが、
そこへ向かう人々の日常が淡々と描かれる前半から、名曲の大合唱と化す後半への流れが劇的に感傷的で、すごい。
フォール・アウト・ボーイ、マイ・ケミカル・ロマンスの楽曲の破壊力は断トツ。
ま、ここで何が起きようが、世界は変わらず進んでいくのだが、
EMOがこうやって地下でまだうごめいているのは素晴らしいことだと思う。
グランジではこうはならない。EMOだからこその「泣き」のドキュメントだ。

2017年10月13日金曜日

ライブ決まりました。

2017年12月1日(金)
「DECEMBER'S CHILDREN EXTRA」
六本木VARIT.
開場18:30/開演19:00
出演:徳永憲、沖ちづる
全自由 前売り¥3,000( 税込・ 整理番号付き・ドリンク代別)
チケット発売日2017年11月11日(土) 10:00  

【オフィシャルHP先行】
受付期間: 10月13日(金)18:00〜10/16(月)23:59
受付URL: http://eplus.jp/dc17extra/
INFORMATION: SOGO TOKYO 03-3405-9999

【DECEMBER’S CHILDRENイベント公式サイト】 http://www.decemberschildren.jp
【DECEMBER’S CHILDRENイベント公式ツイッター】https://twitter.com/DEC__CHILDREN

お待たせしました。どんな場所かまったく知らないんですが、
弾き語りをしに行くことが決定。ひさびさの東京帰還です。

2017年10月12日木曜日

エルボー、安定感あるなぁ。



むさっくるしいオッサン2人のデュエットだけど、実に良いじゃないすか。
エルボーと、そこにゲスト参加したジョン・グラント。
今年出たエルボーの新作に収録されていた曲の配信用新ヴァージョン。
地力でじわじわ盛り上がってくる様に引き込まれます。
そして、元のヴァージョンは→こちら
どちらもそれぞれの良さがあって、甲乙つけ難い。

2017年10月6日金曜日

Ian Duryの廉価ボックス


ついでなので2014年に出たイアン・デューリーのこれもご紹介。
Demon/Edselが監修する『The Studio Albums Collection』。
オリジナル・スタジオ作8CDに、1980年までのシングル収録曲を集めたボーナス・ディスクがついてくる。ライブや遺作となった企画盤は入っていない。
紙ジャケは背表紙のない簡素タイプ。クレジットが載った12P冊子つき。
音は総じて良くなってます。うちにある旧盤はどれも80〜90年代に買ったものなので、
はっきりと違いが分かる。すきっとしてるのに、ふくよかさがある。
ただ音量を上げているだけではない。
『Mr.Love Pants』は出た1998年当時のコンプ感が減り、よりナチュラルな感じに。
この値段で買えるので、ファンキーな英国ロックが好きな人は手に入れるべし。

2017年10月5日木曜日

Ian Campbell Folk Groupのボックス


誰も喜ばないと思うが、時々書いている廉価ボックス・シリーズ。
昨年Sanctuary/Cherry Redが監修したイアン・キャンベル・フォーク・グループです。
1st〜6thを3枚のCDに収め、ボーナストラックを集めたもう1枚も加えて、
タイトルは『The Complete Transatlantic Recordings』。
詳細な36Pライナーノーツもいいし、音質も良く、全105曲どっぷり当時の英国フォークの空気感に浸れます。
紙ジャケは簡素で、表裏に2in1それぞれの表ジャケがデザインされている。
フェアポート・コンヴァンションに参加する迄のデイヴ・スウォーブリック、デイヴ・ペグの演奏を聴けるのも貴重だ。
昔探していても見つからなかった音楽がこんなにもいとも簡単にコンプリートできてしまうとは。しかも安いんだよ。

2017年10月4日水曜日

追悼:トム・ペティー



またロック界の重要人物が逝っちゃいましたね。残念。
僕は『Full Moon Fever』(1989)から『Into the Great Wide Open』(1991)あたりが一番好きな時期で、あのジェフ・リンのポップさを土着的ロックに取り込んだサウンドには憧れたもんです。今聴いても絶妙なブレンドで、あの時代の空気を作ってたなーと思います。その次にリック・ルービンと組んだのも彗眼で、リスペクトものでした。

あと1985年のライブ名盤『Pack Up the Plantation: Live!』も大好きで。
1曲目がいきなりザ・バーズのカヴァー「So You Want to Be a Rock 'n' Roll Star」なんだけど、これがめちゃお気に入りで、大学のバンドでコピーした覚えが。
ボブ・ディランを初めて好きになったのも高校時代にトム・ペティーとのツアー映像をテレビで観てからだもんな。考えてみれば、ロック・クラシックとの媒介役としても重要な人だったよな、と思う。本当に色々お世話になった。
それがディランやロジャー・マッギンより早く逝くなんて…う〜む。

2017年10月3日火曜日

Dr.Johnの廉価ボックス


Dr.ジョンの今秋出た「The Atco Albums Collection」というEU製の安いボックスです。
デビューから7作目までAtcoレーベル時代をライノが監修してます。
箱に紙ジャケが7枚。当然輸入盤だからCDは裸状態です。
作りは『In The Right Place』が三面開きになってたり、
頑張ってる感じです。印刷された細かい字も一応読める。
ただし、ライナーノーツはなし。ま、音だけ楽しめよ、ということだろう。
今回のためにリマスターされたというクレジットはないけど、
僕が持ってる90年代の旧盤と聴き比べたら、
音は確実に良くなってます。左右の広がりが出て楽器の粒立ちがいい感じ。
初期7作がこの値段で一気に揃えられるとは、いい時代だ。



2017年9月29日金曜日

KOKOKO!に注目です。



コンゴ民主共和国の首都キンシャサのバンド。これがデビュー曲。
エレクトロニックな要素を取り込んでいるのだが、
先進国のポップ・ミュージックとは対極のプリミティブに思わず身を乗り出してしまう。
使っている楽器もすごいし、それを当たり前のように扱っている姿が素晴らしい。
ピグミー族が出てくる映像のヴァイブも迫力満点。
ドイツ人が撮影しているらしいが、異世界に触れてクラクラしてる感じががっつり表現されている。
今秋ヨーロッパ・ツアーにも出るらしいが、どんなライブするんだろうな。

2017年9月26日火曜日

邦題は「魔王のお城」です。



ストーンズの『サタニック・マジェスティーズ』50周年再発。
特に楽しみにしていたわけではなかったが、
こうやって新しいリリック・ビデオが出てくると、新鮮なものがある。
新人でこの音を出しているバンドがいたら、僕は間違いなく食いつくだろう。
そういう先入観のない耳で楽しんでみてみれば、新たな魅力を発見できるかもしれない。
知ってるつもり、はやっぱり良くない。
ストーンズ、ロックンロールじゃなくても才能の塊なんだな。
アブコのYoutubeチャンネルで他の曲も聴けるので、気になる方はチェックを。
ちなみにこの曲の歌詞、僕の持ってる昔の国内盤ではサビが「candy and cathy」だった。
本当は「candy and taffy」。イメージを喚起するものが全然違ってきます。

それにしても、ストーンズ、リリース多過ぎます・・。

2017年9月25日月曜日

ダダのパンナコッタ



なんか色々とおかしい動画。
企画がふざけているのに、関わっている人は真面目という。
ダダのパンナコッタが売りみたいだが、欲を言えば重箱が三段あるんだから、
三面それぞれのダダを入れれば最高だった。
もう正月の話か。

2017年9月17日日曜日

80年代の再評価されない名曲たち。


きっかけはアリエル・ピンクの「フィールズ・ライク・ヘヴン」。
インディー界隈では良曲だと受け止められているらしいのだが、僕はぽつねんとフィクション・ファクトリーを思い出していた。聴き比べてみたらキーが同じだったよ。
再評価でもされていたら、こういうバッティングはなかったのかも・・・。
ということで、なかなか顧みられることのない80年代の名曲をピックアップしてみたい。


ジ・アラーム。U2の弟分的イメージでありました。
愚直な青春歌謡で、今では気恥ずかしさを覚えてしまうが、悪くはないんだよなぁ。
この曲はブルース・スプリングスティーン的なドラマティックさを取り込んでいて、
時代の匂いがこびりついている。再評価への道は遠い。


全英ナンバー1。作曲はギャラガー&ライルのグラハム・ライル。当時ティナ・ターナーの全米ナンバー1「愛の魔力」も書いていたが、中学生の僕がそんなこと知ろう筈がない。アイヤイヤイヤイヤ〜というサビはインパクト抜群で、7インチ持ってました。
再評価の兆しなし。当時はMTV全盛だったが、ビデオクリップは存在しなかった。


ヘアー・メタルです。このビデオが傑作で、どこで撮影したのか知らないが、地元の子供達がステージに上ってくるし、バンドは真剣にカッコつけてるし、セットは揺れまくってるし、曲は突然終わるし、最高です。ボン・ジョヴィの1stの二番煎じなんだけど、よく聴くとメロディーに光るものがあります。再評価はされてないんだろうな。

以上、今回はUKものでお送りしました。

2017年9月15日金曜日

レコード盛り上がってるなぁ。



4月のレコードストアデイとは別に、一昨年より旭化成主催の「レコードの日」というイベントが11/3文化の日にあるそうで、今年のラインナップの中にアーチー・シェップの7インチがあって「おっ」となる。
地球を揺らすファンキー名曲。ジャケのフォントも渋い。
B面曲は7歳の女の子が歌う不思議なこれ
レコードストア救済の意味合いはないので、ネットでも買えるようだ。
どれくらいの枚数を出荷するのか気になる。
詳しくは上記HPへどうぞ。

ちなみに僕は普段から「安レコ」しか買いません・・。

2017年9月12日火曜日

フェアポート・コンヴェンション本が楽しみ。



いくつかの洋楽雑誌が惜しまれつつ休刊したものの、
ムック本で頑張っているシンコーミュージック。
背表紙がカッコ悪いのが多くて残念なのだが(もうこのご時世だから書店での置かれ方まで計算に入れなくてもいいと思うが)、なんだかんだで買わせていただいてます。
80年代をミュージックライフで育った世代なんで、基本好きなんです。
最近ではチープ・トリック、スティーリー・ダンを買ったが、
今度出るフェアポート本が個人的には一番のニュース。
はっきり言ってこれは事件です。
ピンク・フロイド本と抱き合わせて無理やり会議を通したのか。
確かに僕はどっちも予約したが、いやぁこれは快挙だと思います。

上記Youtubeは今夏に出た最初の10年をまとめたボックスより(こっちは買えてません)。
2nd収録のジョニ・ミッチェル・カヴァーのコーラスなどを抜いたリミックスなのかな?
リチャード・トンプソンのソロがでかいので素晴らしいです。

2017年9月8日金曜日

ザ・レモン・ツイッグス兄弟のお父さんです。



頼んだタイミングが遅かったのか、まだ届かないCD・・・。
本当は夏のあいだにこの爽やかなポップソングを楽しみたかった。
今大人気のThe Lemon Twigsのお父さんが昔出していたアルバムの再発です。
Spotifyでも「Ronnie D'Addario」で検索すれば聴けます(今はそれで我慢・・)。
1976年から1983年に出していた3枚をまとめたもの。
詳しくはディスクユニオンさんへ→こちら

上記Youtube曲は2ndより。めちゃくちゃいいですね。
エミット・ローズ、ギルバート・オサリヴァン、クリス・レインボウあたりを髣髴させるP・マッカートニー直系のポップソング。
時代はAOR偏重だったので売れなかったのかもしれないが、
息子たちのおかげで僕も知ることが出来て幸せです。
早くCD届いてくれー!

過去の記事→こちら

2017年9月5日火曜日

気長にお待ち下さい。

『信じるに値しない男』ができるまで、を執筆中。
大した話は出てこないとは思うが、
上のタブ「profile」の中の長文シリーズにひとつ書き加えたいな、と。
気長にお待ち下さい。

気が向けばいつもの音楽ネタもあげていきます。

2017年8月30日水曜日

お待たせしました!!

徳永憲、ニューアルバム出ます。
タイトルは・・・

『信じるに値しない男』

WAKRD-064
JAN/POS:4582217970643
発売日:2017.11.29
価格:¥2,300(税抜き)/¥2,484(税込)
流通:BRIDGE


3ヶ月後。信じるか信じないかは、あなた次第です。
トラックリストもあります。

01. 理論値ブルース
02. 夢から醒めてこぶしを見る
03. クロスカウンターズ
04. アイコンがいっぱい
05. 雪の結晶
06. 紳士協定

07. コックピットで怪気炎 (instrumental)
08. ユーアーダンシンクイーン
09. 嵐が来たのさ
10. 信じるに値しない男
11. 火がともる
12. やさしき人



「コインのような価値はない/表もなけりゃ裏もない/欲深き者には見向きもされはしない」

日本一、冬を先取るリードトラックです。
今年の初めに撮影。若い若いと言われつつも46、さすがに歳くってきました。
ノープランのリップシンクですが、まぁ歌詞が伝わればOKです。
発売までもうしばらく待つべし!

2017年8月29日火曜日

明日、よろしくです。

2017年8月28日月曜日

アイアン&ワインの新作。



今週リリースになったアイアン&ワインのニュー・アルバム。
上記でフル再生できまして、最近よく聴いている。
なんか顔をさっぱり洗ったような(相変わらず髭モジャだが)、
衒いのないシンプルな歌のアルバム。
一時期の凝った作りも目立たず、初期のような勿体振った雰囲気もなく、
ただ自然にあるがままの歌が投げ出されていて、心地好いのだ。
ライアン・アダムスはケレン味を出さないプレーンな歌を投げ出す時が一番良いのであるが、
その感覚に近いものを感じる。
地味かもしれないが、ファンならアコースティックな楽器が新たな新鮮さでもって鳴っていることに気づくはずだ。

2017年8月26日土曜日

360°は来るのか来ないのか。



YouTubeで時々見るようになった360°ビデオ。
操り人形が出てくるが、操る手を見たけりゃ上ボタン、
左右にパンさせたければ左右ボタン、と遊べます。
結果的に元の位置がどこだったか不明になり、ウロウロしてしまいます。
そして、曲が頭に残りません。
それがいいのか悪いのかは僕には分かりません。

オーストラリア出身、ジョーン・バエズ似のSSW。
ボン・イヴェール以降の、加工を良しとするマインドで、
今月デビュー・アルバムを出すそうです。

2017年8月21日月曜日

King Garbage かっこいいっす。



ザック・クーパーとヴィック・ディモティスの二人組。
めっちゃセンスのいいブルーアイド・ソウル。音の隙間がカッコイイ。
二人はテクノ系のアーティストらしく、NYのアンダーグラウンドなテクノ系レーベルSTYLES UPON STYLESより各々ソロも出している。今回はそのレーベルからデュオとしての作品をリリースするようで、よく分からんが、この名義ではソウルに影響を受けた歌もの、という括りが存在するようだ。
ビデオは超適当で、バカ丸出しを装っているけど、
相当デキる才人達だと僕は見た。

2017年8月17日木曜日

ウルフ・アリスが旬を迎えようとしている。



ロンドン出身のロックバンド、ウルフ・アリスの新曲がどれも良い。
2nd『Visions of a Life』が来月出るとのこと。
1stまでは才媛エリー・ロウゼルを取り囲んだ伝統的なバンド・スタイルの曲が多かったのだが、
新曲はそこからはじけ出るエリー嬢の魅力があって、
何か新しい事をしでかしそうな期待感を漂わせている。
激しい曲はより激しく、可愛い曲はより可愛く、どれもフックがあってキャッチー。
一皮むけたというか、世界的な規模が視野に入った音。
歌の吸引力のおかげで、ただ売れ線に擦り寄ったように聞こえないのがいいです。

2017年8月15日火曜日

ホアン・コルネラの個展やるらしい



スペインのイラストレイター(というかアート作家)ホアン・コルネラさん。
僕も例にもれずウィルコのジャケットでその名を知ったクチであるが、
「HEAPS」に載ってた彼のインタビューが面白かったのでリンク→こちら
今年の暮れに寺田倉庫で個展をやる、という情報も出てきた→こちら
地方在住者にはつらいが、大変そそられます。

2017年8月14日月曜日

30年前のリリック・ビデオ



プリンスのYouTubeチャンネル(→こちら)続々とアップされています。
一昨日には『サイン・オブ・ザ・タイムス』(1987)関連が出てました。
当時の僕は『アラウンド・ザ・ワールド〜』(1985)にどんぴしゃにハマりすぎたせいで、プリンスの次から次へと繰り出される創作スピードについていけてなかった。
今から考えても『パープル・レイン』から『ラブセクシー』までの5年は凄い情報量で、
とてもじゃないが、スラッシュ・メタルにお金をつぎこんでいた僕には消化しきれなかったのだ。
というわけで、80年代後半のプリンスをじっくり聴き込むのはその後になるのだが、
本当に「自分の世界に引き込む磁力」は圧倒的で、それでいて確実な結論を見いだせるような単純さもないわけで、延々と聴いていられます。
あとから発見するエレメンツの多さ、にひれ伏してしまうことしきり。
プリンスは偉大なり。
上記PVも当時は大胆さが話題となったが、今ではYouTube時代のリリック・ビデオの走りだと定義できまいか。

2017年8月10日木曜日

シャイマス・フォガティに注目です。



歌メロの節々に民謡っぽさがあるのに、音作りはアイディアいっぱいに凝りまくっている、
という面白いアイルランド出身のシンガー・ソングライター。
リチャード・ドーソンでも実績があるDominoと契約したとのことで、
フォーク界も着実に新しい時代に踏み入れているのか。
レディオヘッドの最新作と共振する部分もあったりします。
正直書くと、もっと曲本体が良ければここまでサウンドに凝る必要がなくなると思うのだが、
本人発信のストロングさを感じさせてくれるので、今後要チェックです。

2017年8月6日日曜日

サンダーキャットの新PV



サンダーキャットの今年リリースされたヒット作『ドランク』より新しいPV。
東京滞在記みたいな内容で、なかなか楽しい。
オープンマインドで自由に行動している様が映し出されている。
普通の観光地は出てこないが、まんだらけは出てくる。
変態AORっぽい音楽に妙にマッチしているような気がしないでもない。

まだまだ暑い夏が続きますが、皆様お体をご自愛ください。

2017年7月30日日曜日

坊や、ロバート・プラント好きでしょ。



まだアルバムを出していないデトロイト郊外出身の若手バンド。
4人中3人が兄弟で、キングス・オブ・レオンに近いパターン。
ひとつ屋根の下で育ったので、音楽の趣味が同じになるのだ。
きっと幼い頃から父親にレッド・ツェッペリンを聴かされたのであろう。
自宅ガレージで練習してたら自然にこういう音になりました、という風情です。
ノリが軽くてスナック菓子っぽいが、悩みがなさそうで、憎めません。
レーベルはユニバーサル系の大メジャー。
フル・アルバムも追々出てくるのだろうが、周りにロック・バンドがいないので誰も売り方分からないんじゃないか、とお節介ながら心配になります。

2017年7月27日木曜日

Superfoodの2ndに注目です。



更新少なくなってしまった。
体調が良くなかったせいか、最近あまりいいなーと思える音楽もなく。
新人ものもチェックしてるけど、どうもテンプレートに嵌め込んだような没個性な曲が多いんだよな。テンションが上っていかない。
若者には常に業界を転覆させるような気持ちで音楽を作って欲しいのだが。

ま、そんな中注目しているのがスーパーフード。
英国バーミンガム出身で2ndが9月に出る。
デビュー作はジャケットは覚えているが、曲が頭に残っていなかったので、
改めてチェックしてみたが、全然サウンドが違った。
どうも、その後バンドが瓦解し、デュオ体制になったことで才能が開花したようだ。
とってもイギリス的なハイブリッド感覚があって、ゴリラズに近いが、
D・アルバーンの鼻の効き方よりも、S・ライダーのそれに近い印象。
他の先行曲もどれも良いので、ヒットの予感あります。

2017年7月18日火曜日

映画『ベイビー・ドライバー』



音楽好きのあいだで話題となっている映画『ベイビー・ドライバー』。
オフィシャル・サイト→こちら
太っ腹にも冒頭6分が公開されているというので観たら、最高でした。
監督はエドガー・ライト。
個人的には『スコット・ピルグリム〜』で印象深い人ですが、流石の手腕です。
ジョンスペにスバル、圧巻の掴み。です。
サントラ曲目を見たら、他にも楽しそうな曲がいっぱい。
予想通りS&Gの「ベイビー・ドライバー」も収録されてました。
来月公開予定。

2017年7月11日火曜日

これからも音楽の聴き方を更新していきたい



いきなり動画4つも貼ってすいません。
昔はStatus Quoってなんでそんなに人気あるのか(母国イギリスだけですが)分からなかったのだが、ある時「聴きどころ」が分かって、それ以来好きになったという話です。

上の4曲、すべてイントロのためのイントロがあるのです。
脈絡がないと言えば乱暴だが、無駄なもんが最初に付いている。
だが、それは言わば「じらし」のお時間で、すべては定番のチャック・ベリー・スタイルのロックンロール・リフのための、お約束なのだ。
テクノの4つ打ちキックが出て来る前の「じらし」と同じ構造。
これが分かると、彼らのふにゃふにゃした歌や、のっぺりしたサビの意味も自ずと分かる。
つまり、クオーの楽曲のクライマックスは、世間で言うところのサビではなく、
イントロの王道リフが出て来る、その瞬間なのです。
ステイタス・クオーを愛するイギリス人は、労働した後ビールを手に持ち、
その瞬間を待っているのである。

それを発見した時、僕は音楽を捉える尺度は柔軟にしとかなきゃいかんなぁと思った。
好きなもんは好き、嫌いなもんは嫌い、という自分だけの尺度で音楽を計るのは大変結構なのだが、その尺度をいつでも変えるよ、という度量を持ち併せていたい。
そう思ったわけです。

YouTube:Status Quo→こちら

2017年7月5日水曜日

Hollow Hand 気に入りました。



所在無さげに淡色のメロディーが流転する不思議な1曲。
今はロンドンをベースに活動するブライトン出身バンドの新曲。
知らなかった人達なので、昨年発表された作品をバンドキャンプで聴いてみたら、
自分にはストライクで、今はすっかり気に入っている次第(→bandcamp)。
イギリスのくぐもった空気感に、CSN&Yっぽいハーモニーが絡んでくる。
メンバーの自宅スタジオでアナログにこだわり丁寧に制作しているようだ。
10年前くらいのミッドレイクに通じる質感もあるな。
今までカセットとデジタルでしかリリースされていなく、新曲の方も7インチのみ。
小規模展開でも、クオリティーは高し。

2017年7月3日月曜日

ジュディ・ダイブル、久しぶりに名前をきいた。



スペアミントのメンバーであり、ポール・ウェラーのバンドも手伝いつつ、
ACID JAZZよりソロ作もリリースしているアンディ・ルイスさん。
彼がジュディ・ダイブルと出会いデュオ作を出すに至ったとのこと。
フェアポート・コンベンションのデビュー作(1968)で歌い、結成前夜のキング・クリムゾンに携わり、トレイダー・ホーンを結成してすぐに家庭に入った、あのジュディさんです。
今はもう68歳だそうで、ここ十年くらい活動を再開していたそう。
知らんかった。
今の歌声は悪くないです。「英国の深い森」感をしっかり湛えています。
オフィシャル・サイト→こちら

2017年6月28日水曜日

僕の笑顔は絶滅した BY ケイン・ストラング



ニュージーランド出身のケイン・ストラングの新曲。
サビで「今殺してくれ、死にたい」と歌っていて、
何事かと思ってよく聴いたら、彼女と親友の家のパーティーに行って、
車で居眠りしてたら彼女が他のプリティー・ボーイと会ってるのが窓越しに見えた、
とか弱々し過ぎます!
もっと強くなれ。
そんなことで死にたくなるな。

でも、狙ってるのかもな。かまってほしいのか。
炎上商法のインディー・ポップか。
今月末にデッド・オーシャンから2ndアルバム出るそうです。

2017年6月26日月曜日

Trance Farmers ほとばしる奇人オーラ。



変な人達がいっぱいいるStones Throw傘下のLeaving Records。
ニューオリンズ出身の「トランス農民」もその代表格です。
今までチェックした曲は理解出来ないことも多かったのだが、
この新曲はまだオーソドックスなロック・フォーマットに準じているので、
分かりやすいです。
やっぱり奇人オーラ、出てますけどね。
ニューアルバムは今年終盤らしいです。

2017年6月23日金曜日

ディア・ティックの新作。



アコースティックものと、ロックもの、2作のアルバムを9月に同時リリースするDeer Tick。
上記はアコースティックもの。愛すべきダミ声が炸裂してます。
ロックものの先行曲はこちら。ニルヴァーナっぽいです。
マスに訴えかけるにはあと一歩という個性だけど、
下世話に流れていかない“尖り具合”がとても好みです。
2つのリリース、彼らにとっちゃどっちも大事な衝動なのが伝わってきます。
そして、両方共すっとぼけたアニメ映像なのもいいな。

2017年6月19日月曜日

リー・ラナルドの新曲。



元ソニック・ユースのギタリスト、リー・ラナルド。
実はサーストン・ムーアよりキャッチーな曲をかく素養がある人だが、
今度の新曲もいい感じ。このサイケ感!
シャロン・ヴァン・エッテンがコーラスに入っているのが大正解。
相乗効果でリーさんの声に張りが感じられるし、華やか。
J・マスシスも意外と女性コーラス(キャット・パワー)と相性良かったし、面白い現象だ。
アルバムには盟友スティーヴ・シェリー(Ds)、ネルス・クライン(G)も今まで同様参加している。アルバム発売はMUTEから9月に。

2017年6月13日火曜日

Washed Out 切り絵アニメの秀逸作。



アーネスト・グリーンのソロ・プロジェクト、ウォッシュト・アウトの新曲。
「Stones Throw」と新たに契約したようで、新展開。
3rd発売はアナウンスされてないけど、用意はされているのか。
(追記:アナウンス出てきました→こちら
ハウス系の鍵盤リフをモチーフに、センスいい楽曲になってます。
初期のシューゲイザー感は払拭され、恐る恐るストリートに一歩踏み入れた感が。
ちょっぴりジャズっぽさがあるのがいいなぁ。

で、PVが素晴らしい出来。
切り抜きが幾重にも交差し、アメリカの陽と陰が描き出される。
現代アメリカは何を「Get Lost」したのか。

2017年6月11日日曜日

Sat. Nite Duets 郊外ローファイ・ポップは消えず。



ゆるゆるな声で下手くそに歌うポップ・メロディーが可愛いです。
米国北部ミルウォーキーの5人組。レーベルの紹介によると中学校からの友達バンドで、
ガイデッド・バイ・ヴォイシズ、ヴァイオレント・ファムズ、ウィーザーの1stなんかがテキストでは参照されている。
PVを観ると、中坊のノリを保ったまま成長したようだ。
アルバム・タイトルは『エアギター』で、ジャケは空に浮かんだギター・イラスト。
あまりにもしょーもなくて、逆に憎めません。

2017年6月5日月曜日

リチャード・ドーソンが最近のお気に入り



Spotifyでリチャード・ドーソンの新譜を楽しんでいます。
これがなかなかの傑作で、やはりCDが欲しくなって、今到着待ちです。
上記のPV曲はアルバム冒頭のシークエンス後に来る7分近くの大作。
初期ジェネシス、シド・バレットが醸すような英国っぽい土着性に、
サイケを内包する、なんじゃこれな特異なフォークが続く。
様々な声色を使い分け、この時代にフォークで何か「新しいオリジナルなもの」を標榜している。素晴らしいぞ。
人によってはMAGMA、AREAの精神を受け継ぐプログレに聴こえるかもしれないな。
他を追随する似たり寄ったりのポップ・ミュージックが嫌いな僕にとっては、
これほど心強く感じさせてくれるアーティストはいない。
超オススメなので、気になる方は是非。

2017年6月2日金曜日

レディオヘッドの未発表曲、解禁。



レディオヘッドの3rd『OK コンピューター』の回顧リイシュー。勿論買います。
今朝「I Promise」が解禁されて(→こちら)そのメロディーのクオリティーの高さに唸ってますが、上記の有名な「Lift」同様(これもスタジオ録音が初収録される)、これは現在のトム・ヨークにとって諸刃の剣になる気がする。
今、曲書けてないじゃん、と言われても致し方ない。
まぁ、はっきり言ってそれは事実なんだけど、
もう彼はそういう境地には居ないことを、今回はっきりと宣言しているのかも。

ギターロック名盤2nd『ベンズ』路線から激しく逸脱する為に、外されたメロディー達。
今はもう当時のエゴや才気、インスピレーション、すべてを清算してもいい…
そういう時間の経過があったんだろう。
ファンはこれを受け入れて、同時に最新作の歌のテンションが弛緩したのも自然なものとして受け入れるべきなんでしょう。
RO69のこの記事、これも今だからこそ言える裏話。興味深いです。

2017年6月1日木曜日

この太陽にピンと来た人は注目。



英国ハル出身のトラッド・コーラスグループ、ウォーターソンズ。
フェアポートやスティーライ・スパンがデビューするより前から活動している人達だが、
その中心メンバー、ラルとマイク兄妹(既に二人とも故人)が制作した、トラッドでなくオリジナルを歌った1972年作が正式に初リイシュー。これ、ずっと聴きたかったんだよなぁ。
祝・ブリティッシュ・フォーク名盤復活です。
嬉しい。バックを務めるのが前述したバンドのメンバー達で、豪華。
1分過ぎから現れるドラムはデイブ・マタックスでしょう。この時代の音がたまらん。
発売は8月。オリジナル・テープからちゃんとリマスターされたそう。
ちなみにこのビデオはラルの娘さんが作ったとのこと。

↓MP3版

2017年5月29日月曜日

もはや巨匠の域です。



定期的に紹介しているチャド・ヴァンガーレンの世界。
今回はフィラデルフィアの髭もじゃティモシー・ショウアルターのプロジェクトのPV。
やたらガレージーなトラックにのせて、またもや「狂気」が描かれていきます。
気持ち悪いクリーチャーがその発想はなかった、という変体を見せる。
極めてアメリカン。極めてドラッギー。
見えないものが見える人はすごい。
でも、チャドさん、定期的にこういった仕事をしているので、
多分普通にEメールでやり取りできるような、ちゃんとした人なんだと思います。

過去のエントリー→こちら

2017年5月26日金曜日

The The 新曲ぐっと来ます。



先日もエントリーしたザ・ザの続報。
いよいよ新曲PV来ました。
これが往年全盛期のマット・ジョンソン節が炸裂で、
やっぱりこれが彼の専売特許というか、王道パターンなんですね。
そして、それが当然の如く素晴らしい。
意識が高い余り同じことを繰り返したくなくて、
90年代中盤以降は『ハンキー・パンキー』とか『ネイキッド・セルフ』を作ったけど、
やっぱり変化球は変化球。
こういうズバッとストレートでこられると、ひれ伏してしまいます。
経年変化してない歌声に、じんわりこみ上げるエモーション。嘆息ものです。
ジョニー・マーを迎えたからには下手なことは出来ないという思いもあるだろう。
亡くなった弟さん(ジャケ担当)への弔いもあるだろう。
頼むからフル・アルバム出して欲しい。

2017年5月23日火曜日

TERRY ゆるくだらけて、ちょっとだけクール。



リズム感のなくなったトーキング・ヘッズみたいな音楽性が耳を引く。
オーストラリア発のインディー・バンド、来月リリースの2nd収録曲。
レーベルはイギリスで、この個性を面白がられているのだろう。
陽光の中、街をぶらぶら散策しているようなオージーっぽさが、
無防備、そして無欲でいいんです。
「ロックと時代」をじくじくと考えるような人には無縁な音だろうが、
今はロックが時代を背負い込まなくなって久しく、
その事実を体現したサウンドを、実はこういう人達が表現している、
とも言えるのではないでしょうか。

2017年5月19日金曜日

NOWNESSのお宅訪問



自殺したサウンドガーデンのクリス・コーネルは52歳だったそうだが、
こちらのステファン・メリットさん(マグネスティック・フィールズ)も52歳。
彼の家を訪ねた、私生活が垣間見れるファン必見の動画です。
言いたいことはいっぱいあるが、彼はロックスターじゃないし、
ずっと長生きしてくれそうな気がする。

今年3月に出た新作は50曲入りの5枚組。
1歳の時(1966年)から1年1曲50年分というコンセプト・アルバム。
すごい創作のパワーです。思いついても実際やれないよ、そんなの。
興味ある方は→Youtube : Magnestic Fields
Spotifyで気軽に聴けるけど、歌詞が知りたい方は国内盤も出てます。

2017年5月17日水曜日

サム・アミドンの新作です。



もう6作目ですか。サム・アミドン、今月新作が出ます。
初めて取り上げたのはここだから9年前です。
もう自分の中では好きなアーティストとして完全に定着しています。
なので、いつもの歌声があるだけで、幸せ。
この曲もふつうに良いです。
ただのフォークに落ち着かない、実験精神を呈する作風は不変。
ちょっとリズム・アプローチに変化を感じますが、
またじっくりアルバム聴かせてもらおう。

2017年5月15日月曜日

このタイトルコール、何度観ても笑う。



Youtubeで円谷のウルトラチャンネルを登録している徳永です。
ここ数日の連続配信で、また『ウルトラファイト』を堪能してました。
『ウルトラセブン』放映終了後、ヒットの出なかった円谷プロが低予算で作った5分番組。
しかし、これが予想外に子供達に受けて、
それが呼び水となって『帰ってきたウルトラマン』制作に至ったという。

内容はとてもひどい。やっつけ仕事感が半端ない。
出会ったという理由だけで、まずは勝負開始です。
汚れた着ぐるみ同士でよれよれになるまで戦う。
動きにキレはないが、プロレス中継スタイルのナレーションで、
なんとか場をつなぎとめている。
これが196話もあります!

2017年5月13日土曜日

フェニックス、4年振りの新作。



数日前に「ストリーミングの時代になってイントロが短くなった」という趣旨のRO69の記事があったのだが(→こちら)、本当に由々しき状況だ。
聴き手のニーズに合わせるのが正義という考えもあろうが、
それは結局は金儲けの為の情けない擦り寄りであり、
表現衝動としては歪んでいる、とは言えまいか。
わくわくさせるような緊張感のあるイントロを作り、
それが分からんアホは門前払いするような、強い心のある音楽を聴きたいものである。
別にストリーミングなんてされなくてもいいじゃん。
自分の音楽もそうあって欲しいが、売れてなくても素晴らしい音楽は大切にされるもんだよ。

というわけでフェニックスの新曲。
ちゃんと普通のイントロの長さで、安心しました。
もっとマーケティング的に追い込む(売れる)作りにも出来ただろうが、
そう振り切らないのが自分ってもんを持ってるフランス人らしい。
彼らなりの塩梅で整えられたポップソングだと思います。

2017年5月12日金曜日

Kieferのデビュー作、唯我独尊。



ざらついた音の波、そこにジャズ色あるクールなフレーズが絡まっていく。
打ち込みなのに、微妙なヨレ具合。
タイミングを外す気持ち悪さがそのうち気持ち良さに変わってくる。
これは20年前にはなかった感性で、おそらくフライング・ロータス辺りから影響されているんだろうな。
自由でルールに囚われていないキーファーさん、
これがデビュー作のようです。
レーベルはLeaving Recordsとのことで膝を打つ。

2017年5月9日火曜日

Moon Hoochの新曲です。



3年前に紹介したこともある(→こちら)ニューヨーク発、ドラムと管楽器2本のトリオ・バンド。
結構派手に聴こえるインストゥルメンタルだけど、
よく聴けば3つしか音が鳴っていない。
やっぱりその構造が面白い。
アイディア一発でもその覇気だけでぐっと人を惹きつける。
やってる方も楽しそうだし、こういうチャレンジャーは応援したくなります。

オフィシャル・サイト→こちら

2017年5月7日日曜日

ソンゴイ・ブルースの2ndが楽しみ。



何度か取り上げてるアフリカのファンキー・ロックバンド、ソンゴイ・ブルース。
2ndの音源が出てきました。
アルバム・タイトルは『レジスタンス』。
欧米のバンドならハッタリ臭く響くところだろうが、
彼らの場合は凛とした佇まいに収まるんだから面白い。
ワクワクさせてくれる音は流石だし、
アルバムには何とイギー・ポップが参加しているらしいし、
これは早く聴きたいぞ。

2017年5月4日木曜日

パープル・レインの4枚組が出る。

早速予約しました。
これは楽しみ。
そして、ここが口火となり各アルバムもこういった形でリリースされることを望む。
しっかり本体がリマスターされるってのも大きいし、
未発表音源も寄せ集め編集盤に回されるより、
時代性がはっきり分かる形態の方が想像が膨らんで楽しいんだよな。
Spotifyで聴ける先行曲「Electric Intercourse」もいい感じです。



2017年4月28日金曜日

ここにもおかしな人がいました。



前回記事にしたThe Babe Rainbowと同じレーベル(Flightless)の人。
1年前にもKing Gizzard & The Lizard Wizard(→こちら)を紹介しているが、
なかなか肝の据わったサイケ・レーベルですな。
PVは気持ち悪いクレイ・アニメ。
精巧な部分と粗雑な部分が混在していて、クレイジーさが浮き彫りになってます。

2017年4月26日水曜日

The Babe Rainbow 脳みそユルユルなサイケポップ



一年中温暖な気候で過ごすと出てきそうな音楽だ。
エミット・ローズをサイケ漬けにしたようなポップさで、
このまどろみ具合は今が2017年ということを忘れさせてくれます。
6月にデビュー・アルバムを出すオーストラリアのバンド。
現在有事の危険もある極東アジアの南側ではこんな人達が・・・踊っています。
自由でいいけど、ここまで行くと厭世的なカルト宗教っぽさも出てくる気もするな。

2017年4月21日金曜日

ジェームス・エルキントンのソロ・デビュー作



英国ロンドン郊外出身、シカゴに渡り音響系の人達と交流を持ったギタリスト。
ウィルコのロフトで録音されたというソロ作が6月に届くとのこと。
上記PVで僕は早くもファンになりました。
ミュージシャンというより、消防服が似合いそうな風貌ですが、好印象です。
R・トンプソンから賛辞を受けてたり、とギターの腕は申し分なし。
凄味まではないが、歌も悪くない。
昔のTopicのようなジャケットでマニア心をくすぐってくれるので、
英国フォーク好きは応援していきましょう。

2017年4月20日木曜日

アレン・ギンズバーグによる「無垢と経験の歌」



6月に未発表マテリアル込みで初CD化となるアレン・ギンズバーグの1970年作。
ウィリアム・ブレイクの詩に曲をつけて歌った内容らしいが、
上記トレイラーで判断するに、かなりローファイというか、
アウトサイダー・アートのようになっていて興味深い。
ボブ・ドロウやドン・チェリーらが参加しているらしいが、
みんなして酔っ払っていたのであろうか。
いや、でもタイトル通り「無垢と経験の歌」という体にはなっているのか。
この時期のMGM(レーベル)は尖っていていいっすね。

2017年4月17日月曜日

追悼 アラン・ホールズワース



名ギタリスト、アラン・ホールズワースが亡くなったそう。
既に引退宣言をしていたとは言え、残念だ。
僕が初めて聴いたのは中学の時。リアルタイムで聴いた『メタル・ファティーグ』。
でも、この時は早すぎた。自分にはレベルが高すぎて、レコードプレイヤーが壊れたのかと思った(→こちら)。なつかしい思い出だ。
で、その後、カンタベリー系に詳しかった大学の友人・田辺君に色々教えられて、
少しずつ聴いていった感じ。
この人はまじで天才だったと思う。

追記:お金がなくて葬儀も出せないというニュース(→こちら
すぐに集まったらしいが、才能と金回りについて考えさせられます。

2017年4月13日木曜日

デッドのお宝が来月リリース


名演として語り継がれている1977年ニューヨーク州のコーネル大学バートンホール公演。
そのオフィシャル版が遂に5月に出るそうで、期待でわくわくです。
上記は究極のチルアウト人気曲。
僕も他のCDで何テイクも持っているが、それらと比べてもこの演奏は素晴らしいんじゃないか。
Youtubeに転がっている同日公演ブートと比べて、音も抜群に良い。
デッドヘッズ、こんなことではなかなか死ねませんな。


2017年4月10日月曜日

チープ・トリックのレア音源集がCD化



一昨年にデジタル・リリースされていたものがCD化。
タイトルは『The Epic Archive Vol. 1 (1975-1979)』で、
レーベルはエピック/ソニーでなく、再発専門のリアル・ゴーン。
なんでもバン・E・カルロス(Ds)がテープをしっかり蒐集していたそうで、
それを纏めたものらしい。彼のコメントもついているそう。
ファンにはたまらないお宝がいっぱいだ。
『Vol. 2 (1980-1983)』『Vol. 3 (1984-1992)』もいずれCDにしてくれるのだろうが、
どうせなら全部いっぺんに出して欲しかったぞ。
上記Youtube曲は入ってないが、あまりにもカッコイイので貼り付けます。
パワーポップ万歳!

2017年4月7日金曜日

Brent Cash、メロディー・ポップ好きな方はぜひ。



ジョージア州アセンズ出身のシンガーソングライター、ブレント・キャッシュ。
彼の今年出た新作3rdより。数日前に公開された新しいPVもありますが(→こちら)、
僕はこの曲の方が好きだ。
太陽の光を感じさせるソフト・ロック風味に、トッド・ラングレン的なヴォイシング。
どの曲もサビでの爆発力は抑えられているが、その慎ましさも個性のひとつとして捉えましょう。
70年代のAMラジオから流れていそうな、誰も不幸にしないメロディーポップ。
ずばり日本人好みなアーティストだと思う。
Spotifyにもちゃんとあるので、旧作も是非チェックを。

2017年4月5日水曜日

アクロバット(『サイレンサー』アウトテイク)

note:徳永憲
https://note.mu/tokunaga_ken

新作を出すと公表したものの、
続くニュースはないのでnoteでも更新しておきます。
『サイレンサー』(2004)を録音した時のアウトテイク。
未発表曲で学生の頃に書いた古い曲だ。
たまにライブで披露することもあります。
元々はアコギのストロークが気持ちいい青春ポップ曲だったのだが、
ここでは随分まったりしてます。
作品の雰囲気に合わせてテンポを落としたんだろうな。
ボツになった原因は曲終盤にマイクに手をぶつけたから。

2017年4月1日土曜日

2017年 新作リリースします!


先日、京都のマザーシップ・スタジオで完成させてきました。
マスタリングまで済んで、もう音は完パケです。
そうです。出来ました。
でも、それ以外はまだ何も手をつけてない。
ジャケットやら何やらこれから始まる。
『アンサンブルー』より2年。今年、通算10枚目のフルアルバム、
リリース決定です。
タイトル、発売日など詳細は期待して待たれよ。

2017年3月27日月曜日

サイケ+プログレで耳が喜んでます。



英国ブライトン出身のインスト・トリオ・バンド、The Physics House Band。
みんな似たり寄ったりになるマス・ロック系から抜きん出る独特の意識があって、
おっと思わせてくれます。
ドラマーが字余りのオカズをぶっこんでくる感じはソフト・マシーン時代のロバート・ワイアットを思い出させるし、クリムゾンの『暗黒の世界』にも近い雰囲気など、
僕好みのプログレ臭があるのも良い。
ま、洗練されている音像で分かりにくいかもしれないが、
マーズ・ヴォルタやバトルズには出せない英国っぽいスパイスが効いているのだ。

2017年3月25日土曜日

祝・The The 復活



ザ・ザがジョニー・マーを再び迎い入れ再結成というニュース→こちら
そもそも解散しようがないプロジェクトだと思し、近年はサントラをいくつか手掛けていたと思うのだが、まぁ嬉しいニュースには違いない。
ザ・スミスの再結成はやっちゃいけないと思うが、ザ・ザならいいだろう。
試しに大好きな名曲「ビヨンド・ラブ」を上に貼ってみたが、
普通にライブで演奏できるよな。
新曲は4月のレコード・ストアデイに発売されるらしい。
ドラムはオレンジ・ジュース、スタカンでも叩いていたZeke Manyika。
ベースはJames Eller。ともに黄金期のザ・ザを支えていたミュージシャンだ。
そして、またジョニー・マーのリリカルなギターが聴けるのか。
ニュー・アルバムも期待していいのでしょうか?

2017年3月22日水曜日

バス・サックス、でかいなぁ。



サックス奏者の近くにいくとキーを開け閉めする音が「バフバフ ガスガス」と聞こえてくるものだが、普段は出音でかき消されるそのノイズをこの曲ではあえて取り入れている。面白い。
楽器の原始的なエネルギーを生々しく感じられる。
コリン・ステットソンはカナダ出身で、トム・ウェイツ、アーケイド・ファイア、ボン・イヴェールなんかとも共演がある人気の前衛サックス奏者。
4月に新作が出るようです。

2017年3月20日月曜日

Sam Maher & Manu Delago、とても良い音色で癒やされます。



何の予備知識もなく動画を見た冒頭、アコギのハーモニクスの音かと思ったら、
打楽器でした。南アフリカのハードパンという楽器らしい。
でっかい甘食のような形で、手で叩いているせいもあるのか、音色は甘く優しい。
オーストラリア出身の打楽器奏者サム・マーさんです。
気に入った方はこちらの映像もどうぞ。

2017年3月14日火曜日

ロンドン・オコナーのデビュー作



アメリカ西海岸サンディエゴ出身で現在はニューヨークで活動しているLondon O'Connor。
自主制作&フリーダウンロードで2015年にリリースしたデビュー・アルバムが評判を呼び、
このたびTrue Panther Soundsと契約、フィジカル・リリースとなったそう。
音数を絞り込んだひきこもり系のサウンドで、
妙に惹き付けられるものがあります。
歌の背後に諦念と悲哀がじんわりと広がっている。
PVでは男女がそれぞれスマホをなぶり、時間を潰している。
そして、ドレッドヘアのオコナーさんの瞳は何を訴えかけているのか。
今後の活動に期待です。

2017年3月10日金曜日

Flower Girl、陽性ローファイ・ポップです。



その昔、ローファイなる言葉が出てきた頃はローファイ=屈折していて友達少なそう=共感できる、だったのであるが、今や多様化が進み、こんなに行動力のある陽気でフレンドリーなミュージシャンも普通に見受けられるようになりました。
フラワー・ガールによる「ハイタッチ」という能天気な1曲。
そういやずっと前にもハイタッチのパフォーマンス・アートの記事を書いたが(→こちら)、
こちらはノー・プランで、行き当たりばったり。
この人にとっては、これが等身大で誠実な音楽なのだろう。
キャッチーでいい感じです。

2017年3月7日火曜日

寝床でトラフィック、チルアウト。



数週間前にネットで買ったCDがふらっと届く。
まとめてでなく、数日に分かれてダンボールのエアメール便で。
自分で買ったのに、忘れた頃に来るからサプライズ感がある。
その度に喜んで笑顔になってしまう徳永です。
最近体調が悪かったのだが、そのおかげで乗り越えられたとも言えよう。
やはり「音楽のブツ」は自分の活力の源なのだ。
昨今はストリーミングも利用しているが、
あれは自分にとってはレコ屋の試聴機と同じだと分かってきた。
落ち着かないし、すぐ次のを聴きたくなる。
試聴機に定額料を払うのもどうか、と今再考中だ。

↓マーケット・プレイスの回し者ではないが、今が買い時です。

2017年3月5日日曜日

ザ・シンズの新作がもうすぐ。



久しぶりに出てきた曲がぱっとしなかったので、
あまり期待していなかったザ・シンズ。
でも、今年になって発表された上の曲はなかなかポップでエエやんと思った次第。
この曲が1曲目となるようで、もうすぐ発売の5th新作は少し楽しみになってきた。

2017年2月24日金曜日

SPOONの新曲です。



来月リリースの“マタドール復帰”新作9thアルバムより。
前に公開になっていた「Hot Thoughts」も野心的でカッコ良かったが、
こちらも流石のセンスです。
スプーン流のファンク解釈、そしてバンドとしてのプログレスも匂わせる作りで、
タイトルからはアル・グリーンが想起できたりするが、
しっかりと未来を見据えたサウンドになっているのが面白い。
前作に引き続きデイヴ・フリッドマンが絡んでいるようだけど、
全面プロデュースじゃなく、自分達で手綱は握った上での参画要請のよう。
そういったヴィジョンの明確さがスプーンの強みなんだろう。
アルバムに期待です!

以前のエントリー→こちら

2017年2月21日火曜日

シャドウ・バンドのデビュー作。



60'sサイケものです。フィラデルフィアを拠点とする新人バンド、Shadow Band。
今週末にメキシカン・サマーよりデビューLPを出すとのこと。
ミッドレイクをさらにマニアックにしたかのような音で、
あの時代特有のB級感まで再現しようとしています。
恐れ入ります。
先行曲はもうSpotifyで普通に聴けるので、お好きな方はどうぞ。

2017年2月17日金曜日

マイクがそこにあるなら、かぶりつけ。



Thee Oh Sees、怒涛のライブ動画です。
やはりこの熱量の放出はたまりません。
メンバーが入れ替わっても、相変わらずのカッコ良さだ。
愚直に全身全霊でロックする、その素晴らしさを伝える。

過去の記事→こちら こちら

2017年2月13日月曜日

時代を変えていくラッパーです。



昨年末、大方の予想通りベスト・アルバム界隈を賑やかせていたチャンス・ザ・ラッパーが、
ここに来てMV出してきました。ゴスペルちっくな良曲です。
CDやLPを作ってないのでPV:プロモーション(販売促進ビデオ)でなく、
あえてMV:ミュージック(音楽ビデオ)と書かせてもらいました。
無料配信のみ。探せばそこらじゅうで聴けます。
オフィシャル・サイトには堂々と「Now Available Everywhre」の文字が(→こちら)。

僕はSpotifyでNxWorriesやD'Angeloなんかと並べて聴いてます。
実に素晴らしいです。
この才能は無料でなくとも大成功したと思うけど、
この人にとってはこの形態でのリリース自体に意味があるのだろうな。
レコード会社やそれを広告媒体にしている雑誌なんか、おいてけぼり。
CDで聴きたい僕のようなオッサンも若干のおいてけぼり感が。

2017年2月7日火曜日

Fionn Regan、真夜中の運転は気をつけよう。



前にフィオン・リーガン書いたのいつだっけ、と調べたら10年前だった(→こちら)。
時が経つのがはやすぎる!

というわけでこのPV。
真夜中、車を走らせているだけの内容だけど、観ていられる。
コーエン兄弟の映画『インサイド・ルーウィン・デイビス/名もなき男の歌』にもこういうシーンがあったが、次の瞬間にも何かが起こりそうで目を離せないんだよな。
フィオンさんは最近音沙汰がなかったように思うが、
4月に新作を出すとのこと。このうら寂しい歌声が帰ってきます。

2017年2月6日月曜日

ドミニクのデビュー作です。



今月デビュー・アルバムが出るフィラデルフィアを拠点に活動するDominic。
いくつかのバンドを経験したあとソロ活動に移ったらしいが、
この曲の音はガラクタなバンド感でいっぱいだ。
スーパーチャンクあたりを髣髴とさせるパワー・ポップ。
所属レーベルのLame-Oがそういうカラーだもんな。
でも、Spotifyで聴いたら、他の曲はソロ・アーティストっぽいトーンでした。
気になる方はどうぞ。


2017年2月3日金曜日

ファーザー・ジョン・ミスティの新作は4月



これはグッとくる。
凄く良かったので、改めて前作を聴いてみたのだが(Youtubeでフル試聴あります)、
聴こえ方が変わっていた。
世捨て人っぽいイメージを持っていたのは誤解だったのかも。
それくらいこれはパワフルな曲だ。
この達観具合と底知れぬエモーション、二律背反しそうなものだが、
ぐいぐいと迫ってくる。
説明し難いものに突き動かされていく音楽は正しく、的を得ているものだ。
そういう表現者の本能を感じさせてくれることが嬉しい。
新作にはかなり期待できるのではないか。

2017年2月2日木曜日

VULFPECKの最新動画



国内盤が3月に出ることになったVULFPECK。
相変わらずYoutubeでは次々と動画がアップされ続けています。
今回上がっていたのはビートルズ・カヴァー。
ドラムになんとバーナード・パーディー(77歳)を迎えたライブ演奏。
スティーリー・ダンの「バビロン・シスターズ」が大好きな僕としては、
このゆったりと刻まれるビートだけで笑顔になってしまいます。
(注:パディーズ・シャッフルと呼ばれる有名なビート)
特に工夫のないカヴァーでも、人柄だけで最後まで聴かせます。
VULFPECK、また一株上げましたね。
前回の記事→こちら

2017年1月31日火曜日

またジェームス・ホーアさんです。



ピンク・フロイドっぽい田園メロディーが淡いサイケ・ロックに包まれている。
ちょっと前にアップさせてもらったUltimate Paintingと同じジェームス・ホーアさんのプロジェクト、The Proper Ornaments(ザ・プロパー・オーナメンツ)。
この人の一貫したオタク・サイケ道は、僕の琴線に触れてくるようです。
今月2ndとなる新作を出したそうです。
タイトルを直訳すると「たこつぼ」。それがそのままジャケットに書いてあります。


2017年1月30日月曜日

フロンティア・ラッカス、良いです。



ミシガン州デトロイトのフォークロック・バンド、Frontier Ruckus。
5枚目となる新作が2月に出るらしい。
僕は今回初めて知ったが、ビューティフル・サウスっぽい男女ハーモニーといい、
ケンカ弱そうな男性voの着ているTシャツといい、
バンジョー担当のメンバーがいたりと、好きな要素だらけ。
もっと前から出会いたかった、いいバンドだ。
ちゃんといい曲を作ろうとしているのが伝わってくる。
それだけに地味なのだが、まぁいいじゃないか。
遡って、過去の音源も聴いてみたい。

2017年1月28日土曜日

ダン・ヒックス好きな人におすすめ。



ジェイコブ・ミラーといってもレゲエではありません。
ウィスコンシン州出身で、今はオレゴン州ポートランドで活動しているオールドタイム・ミュージックをやっているお兄さん。
ブライアン・セッツァーはこういう音楽をハイパーにブーストするんだけど、
こちらはあくまで緩く、リラックスした感じ。
音数が少なくてスカスカなんだけど、そこがクールだ。
現代でもダン・ヒックスみたいな人がいるんですね。
仲間と一緒に楽しく音楽やってます。
Jacob Miller and the Bridge City Crooners。
Spotifyでも聴けるので、好きそうな方は検索してどうぞ。

2017年1月25日水曜日

そろそろ80'sハードロックでも聴こうか。

特にネタもないが、更新します。今週は80年代のプログレ・ハードロックを聴いてました。
なんだか知らないが、冬に合うんだよなぁ。オススメです。


キングスXの1989年発表2ndより。プログレ+ビートルズ・チルドレンっぷりが異端でした。ハードロック界のレニー・クラヴィッツとでも言えようか。


いつ聴いても素晴らしいイット・バイツの1988年発表2ndより。
プログレ・シークエンスと歌メロとの絡みが最高です。


ラッシュの隠れた名盤1987年発表『ホールド・ユア・ファイア』より。
コーラスはエイミー・マンなのだよ。

2017年1月17日火曜日

ドラムが入ってくる瞬間が最高です。



ワルシャワで紹介されていたこの曲がツボでした。
よく見つけてくるなぁ、こんなの。最高じゃないっすか。
脱力でセンチメンタルを歌い、
よれよれの演奏でそれを全力で支えるという正統的ローファイ・ポップ、Bonny Doon。
ビデオもいい感じ。リサイクルショップで買った古いビデオカメラで撮影したものらしい。
アメリカの青春の風景だ。
デトロイトの4人組バンドのようで、地元のレーベルから3月にデビュー作を出すそう。
bandcampで聴ける曲も大好きだったので、これは憶えておかなければ。
村上ショージ風に「ボニー・ドゥーン!」と憶えておきましょう。

2017年1月16日月曜日

WHY?の新作がもうすぐ。



最近、音沙汰ないなと思ったらもう5年出してなかったのか。
HIPHOPを通過した卓越したセンスでもってフォーク(といってもいいかな)を奏でるヨニ・ウルフが中心となるプロジェクト。
例えばベックに比べて、聴いたあとに残るものがあまりないので、
個人的にはそんなに思い入れはないのであるが、
やはりこうやって新曲が出てくると、面白く聴けます。
話題になった10年前からちゃんと経年を感じさせるのも好印象だ。
粗さや角が取れたサウンドは大人だし、音のコラージュも熟練の技に聞こえる。
レーベルはアンチコンでなくJoyful Noiseで、3月リリース予定です。


2017年1月13日金曜日

Tim Darcy、岐路を歩く。



以前紹介した(→こちら)カナダのバンド、Oughtのフロントマン、ティム・ダーシーのソロ・デビュー曲。
Jagjaguwarと契約して2月にアルバム出すそうです。
将来有望と睨んでいたOughtですが、メンバーが学業優先しちゃったのかな。
解散はしてないようだが、ま、内々では色々あるのだろう。
この曲は若干ロックンロールなヴァイブが増し、ノイジーさが減ったといったところか。
さて、どういう風にことは運んでいくのか。
ティムさん、ビデオでは思索歩きをしています。

2017年1月10日火曜日

スリーター・キニーのライブ盤、出ます。



2014年に再結成したスリーター・キニーが今月末にライブ作を出すそうで、
このようなビデオが発表されていた(2015年『No Cities to Love』収録曲)。
これがやっぱりカッコイイ。
ますます太くなる二の腕同様、たくましいインディー・ロック。
3人の距離感というか一体感がたまりません。
彼女らのライブ動画はほぼどれもハズレなしなので、いつもついつい長い間観てしまうが、
ライブ盤も間違いなく楽しめるだろう。買います。

2017年1月6日金曜日

木の奥/坂田学



あけましておめでとうございます。
今年初のエントリーは坂田君のシンガー・ソングライターとしてのデビュー作をご紹介。
1/17リリースですが、一足早く聴かせてもらいました。
これが素晴らしい。おお、すげぇと唸ってしまいました。
歌もののソロ・ライブを観たことがある人でも、
この音世界の飛躍っぷりには驚かされることだろう。
10分越えの曲もあったりで、坂田君の頭のなかではこういう風に広がっていたんだな、
と感嘆させられた。
ドラマーとしてでしか彼を知らない人だったら尚更ビックリな内容だろう。
綴れ織られる音粒のエレメンツ、繊細かつ嫋やかな音響、朴訥とした歌の数々。
思えば僕も20年の付き合いだけど、今こういう作品が仕上がってくることに、
不思議な高揚感を感じるのであります。
オススメです。

オフィシャル・サイト→こちら