note:徳永憲
https://note.mu/tokunaga_ken
僕の場合、狙って曲作りをしてもロクなことがない。
職業作曲家っぽく、どキャッチーな曲を作ったところで、
見え透いた魂胆が曲の根幹にあるのを自分自身が知っているかぎり、
結局のところ、情熱を注げないのである。
ふとした瞬間に訪れて、説明のつかない人懐っこさで、
その後半永久的に自分の中に滞在してしまっているような曲が良い。
例えば「魂を救うだろう」ははじめ悪辣な気分でふざけて書いていたのだが、
どこかでスイッチが入り、思ってもみない曲になった。
そういう過程が好きだ。
今回の「そうかと思えばそうでもない」はどこから現れたのだろう。
たぶん何も狙われていないし、何も望まれてもない。
ただ生まれただけの曲だ。
ギラギラしたものを恥じる自分がよく出ている。