2015年11月19日木曜日

ジョン・ケイルはやはり偉大。



来年発売されるジョン・ケイルの作品より。
歌メロは聴き馴染んだケイル節、と思ったら「(I Keep A) Close Watch」でした。
なれど、エフェクトのかけ方が思い切りが良く面白い。
最後の方はこれが酩酊感となって覆い被さってくる。
女性の声はダーティー・プロジェクターズのアンバー嬢とのこと。
現代的でありながら、70年代中期のイーノをも彷彿とさせる、ナイスなトラックだと思う。
73歳、なかなか意欲的ですな。

で、こういう曲が出てきた経緯を調べますと、
1982年発表の『Music For A New Society』のリマスター再発(+ボートラ)と絡んでいるようです。古い音源に新しい録音を加えて、新たなアルバムを作った、と。
元々ひどく落ち込んでいた時に作られた作品だったらしく、
ルー・リードの死もあって、再び傷を開いたとのこと。
ケイルさんは「(過去の)悲しみから火の強さがやってきた」とコメントしてます。
泣ける。

ちなみに前回エントリーで貼り付けたジェフ・バックリーの「ハレルヤ」はジョン・ケイルのカヴァーのカヴァーです(原曲は勿論レナード・コーエン)。
ケイルは1992年に発表したベルギーでのライブ名盤『Fragments of a Rainy Season』で、最後に「(I Keep A) Close Watch」「Hallelujah」を続けて演奏しています。いいんだよな、これが。