イギリスの女性SSWローラ・マーリングの名前を強く意識するようになったのは、
ライアン・アダムス『アッシズ&ファイア』のライナーノーツを読んでから。
プロデューサーのイーサン・ジョーンズ経由でその才能を知らされたライアンは、
衝撃を受け、8割出来ていた自身のアルバムを打ち捨て、自分の足元を見つめ直し、
アルバムを作り直したらしい。すごい話だ。
そこまでさせるなんて、どんな歌い手だろうと興味を持ったものだ。
と書きつつ、僕はそのタイミングではハマらなかったんだけど、
今回の新作は先行試聴したら、1曲目からいきなりCの変則チューニング組曲(?)で、
めちゃくちゃ共鳴するものを感じて、これは絶対に買わねば、という気持ちに。
なんというか、以前に比べドスが効いてきている気がする。
トラッド風味も“取り入れてみました”風から、どことなく身から滲み出ている風情に。
「小娘」っぽさが消えて、歌の持つ“磁力”だけが目の前にただ屹立している感じ。
キャッチーさは減退しているものの、もうそんなもの関係ないんだろう。
往年のブリティッシュ・フォーク・マニアが聴いても唸ること間違いなし。
4枚目となる『Once I Was An Eagle』はもうすぐリリースです。
早くうちのステレオでじっくり聴きたい。