苦みばしった独特のハスキー・ヴォイスは健在。
経年分の枯れ具合も加味され、渋くも叙情的な音が展開されている、
マーク・アイツェルの新作。
これが良かった。
プロデューサーのシェルドン・ゴンバーグが介在したことが功を奏したのか、
丁寧な肌触りが心地良い。
じわじわ盛り上がってくる切なさもあり、泣けます。
相変わらず鬱屈とはしてますが、
ささやかに心に炎を灯してくれそうな、大人の温かみもあるのだ。
だてに眉毛繋がってません。
ジャケットも素敵だ。
寂れた部屋に、甘美な黄昏感。
無人の部屋であるが、かろうじてそこに人がいた気配が感じられる。
その残り香を楽しむことの出来る輩ならば、
このアルバムのことをきっと気に入ってくれると思う。
上記YouTubeは冒頭に収録されている、凄いタイトルの曲。
バンドの女性シンガーにサインを求めに行ったら、
「I love you but you're dead」と書かれたという悲惨な歌です。