2012年2月4日土曜日

レナード・コーエンの新譜『Old Ideas』

AOLで全曲試聴(→こちら)をやっているのでチェックしたら、とても良かった。
実はあまり期待してなかったのだが、とても心地良く聴けそう。
平たく言うとコンサバな作りじゃない。
レナード御大、もう77歳だというのに、ここに来て、また新たな次元へ踏み出そうとしているのか。
タイトルは『オールド・アイディア』にて、その不敵さ同様、これはある意味攻めてるな、と。

アレンジはここ数作の作品に比べ、リズムの音圧を極力抑えている。
その為、選び抜かれた楽器の一音一音がししおどしのように響く。
そこにドスンとレナード御大の渋すぎる歌声が真ん中に現れ、
聴き手との間に緊密な音空間が生まれていく。
いつもの“はべらし女性コーラス隊”が登場してからは、
より独創的なムードを孕んでいく。
曲によってはキャバレー的な妖しいムードがあったり、と面白い。
ファンなら誰もが予想するであろうアーバンでお洒落な雰囲気が幾分少ないのも、
この作品ならではか、と思う。
これはしばらくの間、愛聴しそうだな。